ヘッダーイメージ 本文へジャンプ


瀞峡(どろきょう)

 下部~上部白亜紀の砂岩・泥岩、石灰岩・チャートなどからなる四万十(しまんと)層群を、北山川(熊野川の支流)が解析し出来た渓谷。(和歌山県新宮市)

野辺山駅 JR小海線

 長野県南佐久郡南牧村大字野辺山にある駅。駅の標高が1345.67mで日本で最高の高さ。となりの駅清里は1275mで2番目の
高さ。記念入場券には「空に一番近い駅」とあるとのこと。列車に乗ったままだったので入場券を手に入れることはできなかった。

メコン川(ベトナム)

 流域延長約4000km。日本列島の長さは、北海道の北端から九州の南端まで約2000kmであるからその2倍と言うことになる。メコン川は流速が速く、川が茶色に濁っている。

草津温泉の湯畑

(ゆばたけ)

 湯畑は、温泉水を冷ましたり温泉水に含まれるミョウバンなど物質を取り出したりする設備である。大体42~43°の温泉に浸かって「温泉に入った」と思う。温泉法の定義では25℃以上は「温泉」、25℃未満は「冷泉」である。


No.21 高気圧と低気圧
1 高気圧と低気圧:
 
 等圧線は等しい気圧をなめらかに結んだ曲線である。地図の等高線と同じで、

値(hPa)の大きい等圧線は気圧が高いことになる。

 「高気圧」は同じ高さの面で比べたとき、周囲より相対的に気圧の高い領域で

あり、地形図の山と同じように閉じた等圧線で囲まれた気圧の高い領域-とい

える。

 「低気圧」はその反対となる。

 高気圧域内での風の吹き方は、以下のように概略的に示される。水が高所

から低所に流れるように、空気も気圧の高いところから低いところに向か

って流れる。
 
 高気圧の中心からは風が吹き出し、低気圧の中心には風が吹き込むこととな

る。この空気の動きは数千kmにもなるため、転向力の影響を受けることとなり、

等圧線に直角に風が吹くようにはならない。

 等圧線と風の吹く方向のなす角を「傾角」といって、陸上では約35度、海上で

は約20度になる。








高気圧と低気圧 図-1










高気圧と低気圧 図-2
 

 低気圧域内での風の吹く様子は、(高気圧と低気圧 図-2)に示される。

 理解としてのイメージは、中心(の気圧)が1004hPaと凹み、周囲(の気

圧)の高さが1016hPaのボウルがあって、ボウルの縁から水を注ぐとする

(高気圧と低気圧 図-2)。

 この場合も、水はボウルの低い中心に直線的に向かわない。転向力

を受け、右にそれるため、低気圧の中心に向かって左回り(反時計回り)

に水が集まる-風が吹くことになる。集合した風=空気は、低気圧中心

で上昇気流となるため、水蒸気が凝結して雲が形成されそして雨が降る

こととなる。


2 高気圧と低気圧の「背」の高さ:
  ① 暖気・寒気の違いによる気圧の減少の違い(ややっこしい。)
 高気圧と低気圧 図-3のように寒気、暖気の積み重なりによる大気

があり、地表ではいずれも1000hPaであったとする。1000hPaという気圧

は、立方体状の大気の積み重なりの結果と考えて良い。

 ところで、寒気は密度が大きく(重く)、暖気は密度が小さい(軽い)。

そこで理解のため、仮に、1単位立方体あたりの寒気の気圧を1.5hPa、

同様に暖気を1hPaとしてみる。

 h m 上空での寒気・暖気の気圧はどうなるか。この場合h m 上空では

4単位立方体分の気圧が失われるから、以下の計算となる。

寒気の場合は、1000hPa-1.5hPa✕4単位立方体=994hPa

暖気の場合は、1000hPa-1hPa✕4単位立方体=996hPa

地表ではいずれも1000hPaで気圧は等しくても、

寒気=994hPa<暖気=996hPa となる。


 つまり「寒気は上空に行くほど、気圧の減り方が大きい」


と言うことである。
 
 高気圧、低気圧は寒気のみ、暖気のみからなるばかりではない。中心が

暖気で周囲が寒気、中心が寒気で周囲が暖気の高気圧・低気圧があり、

暖気・寒気の違いによる気圧の減少の違いから高気圧と低気圧の「背」の

高さの問題が生じてくる。


高気圧と低気圧 図-3
 ② 温暖高気圧=背の高い高気圧
 高気圧の中央が(相対的に)「暖気」で周囲が「寒気」である場合を、

「高気圧と低気圧 図-3」にならって考えよう。

 この場合も、考えのために1単位立方体あたりの寒気の気圧を1.5

hPa、同様に暖気を1hPaとし、 hm 上空での気圧を比較する。

h m 上空では

寒気の場合は、988hPa-1.5hPa✕8単位立方体=976hPa

暖気の場合は、1000hPa-1hPa✕8単位立方体=992hPa

となり、

地表で  寒気=988hPa VS 暖気=1000hPa その差12hPa から

hm上空で 寒気=976hPa VS 暖気=992hPa その差16hPa へ 

高さが高くなるにつれ、気圧差が拡大していることが分かる。

 つまり、高気圧がより「高気圧らしさを強めている」といえる。

これをもって、「背の高い高気圧」と言い換えることとする。


高気圧と低気圧 図-4
 ハドレー循環(19 大気の構造 (1)「ハドレー循環(George Hadley

 1735年)」=赤道~低緯度(30度)での大気の循環)によってエネルギ

ーと共に大気がN30度付近にもたらされ、亜熱帯高圧帯が形成されること

を先に学んでいる。

 N30度付近は、赤道地域に比較すれば相対的に「寒冷」な場所である

から、亜熱帯高圧帯の気流収束帯は「寒冷」な地域に、「暖気」(冷えて下

降してもなお)が下降気流となり高気圧が形成されることになる。つまり、

周りは相対的に寒冷で、中心は温暖な高気圧=「温暖高気圧」が形成される。
 「① 暖気・寒気の違いによる気圧の減少の違い」(高気圧と低気圧 

図-3)ですでに学んだように、上空に行くほど「寒気は気圧減少が大きく、

暖気は小さい」。

 「温暖高気圧」の周囲は「寒冷」、上空ほど気圧の減少が大きくなる。一方、

「温暖高気圧」の中央部分は「温暖」、高圧を維持する。それゆえ、温暖高気

圧では上空に行けば行くほど、高気圧の性質を強めることとなる。つまり、

「温暖高気圧は背の高い高気圧」、高層天気図上にも高気圧として現れること

となる。温暖高気圧として、夏に日本付近に勢力を張り出す「太平洋高気圧(小

笠原高気圧)」がこれに属する。(高気圧と低気圧 図-5)


高気圧と低気圧 図-5
③ 寒冷高気圧=背の低い高気圧
 ここまで来れば大体理解が進んだことだろう。「高気圧と低気圧 図-6」を参

照してほしい。高気圧の中央が(相対的に)「寒気」で周囲が「暖気」である場合、

地表では高気圧の中心-気圧が高かったのが、「寒気」のために気圧減少の割

合が周囲(暖気)より大きく、上空に至って低気圧となってしまっている。高気圧と

しての性質は高空まで維持できていないので、「背の低い高気圧」とよばれる。寒

冷高気圧は冬期、大地に接触した大気が冷却され密度を増して形成されるもので、

その代表例は冬将軍「シベリア高気圧」である。





高気圧と低気圧 図-6
④まとめとして、「高・低気圧の背の高さ」
 これまで学んできた「背の高さ」の断面について模式的にまとめれば、次のように

示される。(高気圧と低気圧 図-7)




高気圧と低気圧 図-7



  地学で学ぶ英単語 No.21     




gorge,canyon:峡谷、analyse:解析する、analysis:解析、分析、the highest:最高、impure

,become muddy:濁る、hot spring:温泉、facility(facilities):設備、definition:定義

、anisobar:等圧線、atmospheric pressure:気圧、contour:等高線、surroundings,environment:

周囲・環境、relatively(absolutely):相対的に(絶対的に)、right angle:直角、

comprehension:理解、comprehend、understand:理解・納得する、edge,rim:縁、pour into ~

:~に注ぐ、linear:直線的な、condense,congeal:凝縮・濃縮する、density:みつど

、magnify:拡大する











フッターイメージ