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気象庁によると,活火山は世界におよそ1500,日本には108存在すると言うことです。世界の7%近く,図からも分かるとおり,日本列島全体が
活火山マークで覆い尽くされてしまいます。
活火山は次の三つの分布域に限られています。
中央海嶺付近
海底拡大に伴う火山活動で,玄武岩溶岩の噴出に特徴付けられます。海底で流動性に富む玄武岩溶岩が噴出すると,海底斜面を回転しながら
冷却されます
。
そのため,冷却された玄武岩は,円筒形の枕,あるいは米俵(と言っても最近見られなくなりました)を積み上げたような産状を呈することから,
「枕状溶岩(pillow lava)」と呼ばれています。
ホットスポット(hot spot)
マントルの深いところにマグマ源が存在し,定常的に玄武岩質マグマを地表に向けて供給していると考えられるところをホットスポット(hot spot)と
呼んでいます。
ホットスポットの一つには,ハワイ島の真下に存在すると考えられています。ホットスポットから玄武岩マグマが供給され,火山島がプレートの上
に形成されます。
そして形成された火山島(または海山)は,いわばベルトコンベアに運ばれるように,プレートに乗っかった状態で移動します。そのため,火山
島(海山)の火山岩の放射年代測定と火山島(海山)間の距離から,プレートの移動速度が計算されることになります。
また,火山島(海山)の配列に変化が見られる場合には,プレート運動に変化があった事が推測されます。
大陸縁・島弧
大陸縁・島弧の火山は,プレートの沈み込みによるマグマの発生によるもので,日本を含む環太平洋,地中海,アリューシャン列島,地中海,インド
ネシアがこのグループになります。
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①中央,無色の斑晶は斜長石,②中央上部と向かって左側の有色鉱物は輝石,③石基はクラック(割れ目)が入った火山ガラス,黒色の鉱物は
鉄鉱物,
④図下のスケールは長さ1mm。
斑晶(はんしょう)=火山岩中の大きな鉱物,石基(せっき)=斑晶を埋め尽くす細かな結晶や非晶質(結晶ではない)の部分
安山岩=Andesite,Andes=アンデス(山脈),-ite=岩石 |
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樽前山(二重式火山,北海道)
支笏湖の南方にある二重式火山。標高1024m。火口中央の溶岩ドームは1909年の活動で形成された。 |
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桜島(成層火山,鹿児島県)
北岳の標高は1118m,霧島火山帯に属する活火山。1914年の爆発で溶岩を流出し,それまで火山島だったが,大隅半島と陸続きになっ
てしまった。
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富士山(成層火山,山梨・静岡県)
奥多摩・大岳山から望む富士山。山体は玄武岩溶岩と火山砕屑物の互層からなる。山頂は直径700m,深さ200mの火口壁があり,
その最高峰が剣ヶ峰,標高3776m。 |
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東京高尾山大見晴台からの富士山。1月上旬。 |
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山梨県大月市,高畑山からの富士山の眺望。、大月市は,見事な富士山がみられる市内の山,12座を「秀麗富嶽12景」として指定している。
高畑山はの9番目の山。4月下旬。
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火山噴火予知連絡会会長 藤井敏嗣 氏 2016年の火山活動の見通し
(要旨):
江戸時代の富士山の大噴火は1世紀には4,5回起こっていた。100年近く噴火がないのは異常で、活動期に入る可能性がある。
江戸時代の富士山の噴火の前には大地震が発生しており、大地震と噴火と連動して出現する見方があり、今後数十年大災害を想
定する必要がある。
富士山は過去3200年に100回以上の噴火を行っていて、300年間噴火が無い状態はこれまでの10倍休止していることで、いつ噴火
してもおかしくない。
噴火の予知は難しい。マグマの動きを数日前、数時間前から捉えられる。
(要旨に関してはChigakukyoushituの責任に帰するものであります。出典:岩手日報 2016.1.1特集記事) |
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