ヘッダーイメージ 本文へジャンプ

             
マザーリーフ(屋久島)
セイロンベンケイソウ 水に浸しておくと葉から芽が出てくる。
開聞岳(924m) 
鹿児島県薩摩半島南端にある成層火山。美しい円錐形の火山で,薩摩富士と呼ばれている。
四国 桂浜
奥の岬は竜王岬。そこから礫浜が周囲の松林に調和して続く,美しい浜。
丹沢から眺めた富士山
3月下旬。前日は氷雨にたたられた。



No.9 火成岩


igneous 火のような 火成の,igneous rock  火成岩
 
 
 ハワイのキラウエア火山では,溶岩の流出が観察されること

から,地下深部には融けた地球物質=溶融珪酸塩が存在す

ることがわかります。

 この高温液状の珪酸塩とガス成分のミクスチュアをマグマ

(magma)と言い,マグマから形成される岩石は「火成岩」とし

て分類されます。
 
 さらに,火成岩は,マグマが地下深所で徐冷されて出来る

「深成岩」と地表付近で急冷されて出来る「火山岩」の二つ

に分類されます。






 カンラン石のようにMg,Feを多量に含む鉱物は,オリーブ色

~暗緑色~黒色を呈することから「有色鉱物」に分類されます。

有色鉱物はカンラン石の他,角閃石,輝石,黒雲母がそのグル

ープです。

 一方,斜長石,石英,カリ長石はMg,Feには乏しく,鉱物は白

色,灰白色を呈し,「無色鉱物」に分類されます。火成岩は「有色

鉱物」,「無色鉱物」を含む割合が異なることから,火成岩は黒っ

ぽかったり,白っぽかったりします。そこで,その度合いを示すた

めに「色指数」(colour index)が用いられます。



色指数の計算

 岩石の研磨面(通常は鏡下で,薄片(はくへん)を用いて行い

ます。)に方眼の印刷されたトレーシングペーパーを当てます。

方眼の交点の鉱物が無色鉱物か有色鉱物かをスキャニング

し,そのポイント数のカウント行うわけです。


 


 例えば,上の写真のかこう岩の場合

無色鉱物=127ポイント(写真のポイントを数えた正確な

        値ではありません)

        石英=53ポイント,カリ長石=57ポイント,

        斜長石=17ポイント

有色鉱物=10ポイント

         黒雲母=8ポイント,そのほかの有色

         鉱物=2ポイント

色指数=有色鉱物のポイント÷(無色鉱物のポイント

       +有色鉱物のポイント)×100%=
 
       10÷(127+10)×100%=7.2%

       色指数は7.2となります。

 さらに,このかこう岩の各鉱物組成も以下のように

 計算され,かこう岩の特徴を明らかにすることが出来ます。


鉱物組成
      石英=53÷137×100%=38.7%

      カリ長石=57÷137×100%=41.6%

      斜長石=17÷137×100%=12.4%

      黒雲母=8÷137×100%=5.8%

      そのほか=2÷137×100%=1.5%









火成岩の分類

SiO質量% 66 52 45
色指数 10 35
 酸性岩  中性岩  塩基性岩 超塩基性岩
 火山岩  流紋岩  安山岩  玄武岩
 半深成岩  かこう斑岩  ひん岩  輝緑岩
 深成岩  かこう岩  閃緑岩  はんれい岩 かんらん岩











火成岩の化学的特徴






 火成岩を粉末状にし、高温で溶融させて化学組成を求めます。

「高温で溶融」させることは「燃えること」、「酸化すること」になり、

結果として化学組成は酸化物の量比として表します。

 グラフから分かるように、SiO2に対するほかの金属の含有量に

はある程度の傾向があることが分かります。

 SiO2が多量に含まれるにつれ、増加するのはNa2O、K2O。一

方減少するのはFeO+Fe2O3、CaO、MgOです。Al2O3は、SiO2

の含有量に関わらず、15~20%と多量に含まれています。

 FeO+Fe2O3、CaO、MgOは有色鉱物を構成する元素(この場

合、酸化物の表示となってますが)ですから、SiO2が多量に含ま

れるにつれ、有色鉱物が少なくなり、石英・斜長石・正長石が多く

含まれ色指数が小さくなる-という説明にもなるわけです。


 
なお火成岩の化学分析値のデータは、国立天文台編H25年度

理科年表「おもな火成岩の化学組成」によります。グラフ資料

1=コマチアイト、2=アルカリ玄武岩、3=洪水玄武岩、4=海洋

島玄武岩、5=深海底玄武岩、6=島弧玄武岩、7=カルクアル

カリ流紋岩、8=カルクアルカリデイサイト、9=花こう岩、10=

カルクアルカリ流紋岩-以上。





SiO2含有率と金属酸化物(%)の関係


 上の「火成岩の化学組成」に類似したグラフが教科書に載っ

ています。下の図1の岩石はこのような事になります。

SiO2は47%含まれていて、それに対しAlは15%、

CaOは12%、Fe2O3+FeOは11%、MgOは10%

、Na2OとK2Oはそれぞれ1%含まれていました-そう


言うことを表しています。

  ここでは6個のサンプルしかありませんが SiO2の含有量

と金属の含まれる違いに明瞭な傾向のあることに気づきます。

 

 Al2O3
SiO2の多い、少ないに拘わらず、15~18%で変化がない。



 Fe2O3+FeO、MgO、CaO
SiO2の含有量が多くなるにつれ、減少する。



 Na2O、K2O  
SiO2の含有量が多くなるにつれ、増加する。










安山岩(顕微鏡写真)

中央の大きな結晶=斑晶は斜長石、長さ約2mm。 安山岩は

英名ではandesite=アンデス(山脈の岩石)



                                 
                      



流紋岩(diam.4mm)
 

斑晶は石英、正長石、斜長石、黒雲母。

石基は微細な白雲母を含む火山ガラス、スポンジ粒状のトパーズ、蛍石、ザクロ石からなる。


産地:Climax Colorad)

(原図は「PETROGRAPHY An Introduction to the Study of Rocks in Thin Sections」 Second Edition Howel Williams,Francis J Turner,Charles M Gilbert )


   地学で学ぶ英単語 No.9

leaf :葉、island:島、islands:列島、immerse:浸す、strato volcano:成層火山、cape:岬、Cape Town:ケープタウン、surrounding:周囲の、beach,sea shore:浜、海岸、freezing rain:氷雨、out flow:流出する、underground:地下、underground railway:地下鉄、subway: 地下鉄、melted matter:溶融物質、exist:存在する、existence:存在、mixture:混合物、classify:分類する、distinguish:区別する、surface:表面、large quantity of ~:多量の~、plenty of ~:多量の~、mineral assembledge:鉱物組成








BACK





フッターイメージ