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沖縄 万座毛
沖縄本島中部,恩納村の西にある万座毛。琉球石灰岩の急峻な崖。
鹿児島 桜島岳(1117m)
桜島岳は御岳(おんたけ,みたけ)とも言われている。気象庁が常時観測している全国20火山の一つ
阿蘇 草千里 烏帽子岳(1337m)
阿蘇中央火口丘をなす阿蘇五岳の一つ。阿蘇五岳=高岳,中岳,根子岳,杵島岳,烏帽子岳
トルコ カッパドキア
厚い凝灰岩層が浸食され,尖状,塔状の地形が形成された。凝灰岩層は柔らかく,トルコの先住民族が洞穴をくりぬき住居とした。


No.2 地磁気

地磁気:地球に存在する磁場

地磁気の単元でわかりにくいところと言えば,


①偏角の補正,

②三角関数を用いて全磁力,水平分力等求める問題,付随して

③ある地点で水平となるよう調整した磁針を,別の場所へ移動させた時伏角がどのように変化するかを問う問題-

などではないでしょうか。


★1 地磁気の五つの要素

 ある地点での地磁気の様子は,次の五つの要素で表現されます。要素の定義は教科書を参照してください。ここ

では,理解のためやや不正確で適切ではない表現があるかもしれません。「こういうことなんだ」と納得してもらいた

いのです。


 要素  説明
全磁力 その地点での地磁気の大きさ
鉛直(垂直)分力 その地点での「磁針のN極を垂直方向に引く力」 
水平分力 その地点での「磁針のN極を水平方向に引く力」 
伏角 水平方向と磁針のN極の指す方向とのなす角 
偏角 真北の方向と磁針のN極の指す方向とのなす角



    偏角・伏角が取り上げられたいきさつ  

 磁気学は1500年代後半、イギリスのWilliam Gilbertがその先駆者となり、ガリレオ・ガリレイは彼の

研究を賞賛している。偏角・伏角の存在については、鉱山技師、航海士により取り上げられていた。

 コロンブスは大西洋において、偏角11度Wを記録したといわれる。伏角は羅針盤を作る際に、磁針

が水平にならないことが問題となった。Gilbertは地球は大きな磁石ではないかと仮設をたてて偏角・

伏角について説明を行った。




★2 地磁気の3要素

 ある地点での地磁気の5つの要素のうち,3つの要素の値が分かれば,残りの2つの要素も(計算を行うことに

よって)知りうる。このときの3つの要素を「地磁気の3要素」といいます。「地磁気の3要素」の中には,必ず「偏

角」が含まれなければなりません。 鉛直分力・ 水平分力は,全磁力を水平方向から伏角に相当する角度で分解

した力で,同一平面上にありますが,偏角はその中に含まれません。



★3 偏角の補正

 地球を仮に円盤状と考え,A地点,B地点で磁針を振らせたとします。磁針のN極は「偶然」それぞれの向きを指し

たのではありません。地理上の北極の近くにある「北磁極」-S極に引き寄せられたから,それぞれの向きをさして

止まっているのです。図を見て





考えましょう。





(1) A地点では

A地点では,真北の方向と,磁針のN極の指す方向は一致しています。(偏角が0°)ですから,A地点から磁針を

頼りに北極を目指せば,北極点に到達できるでしょう。

ところが,

(2)B地点では

B地点では,真北の方向と, 磁針のN極の指す方向は一致していません。 真北の方向と磁針のN極の指す方向と

のなす角を10°としましょう。 磁針のN極は真北の方向から10°東にそれていますから,この場合「B地点での偏

角は10°E」といいます。 B地点から,磁針を頼りに北極を目指せば,北極点に到達できません。

 ですから北極点に到達するためには,偏角の補正が必要になります。



★4 偏角の補正の例題

 偏角6°Wのところで,A山の方位を磁針で測定したところ,磁北から30°Wであった。A山の真北からの方位を求

めなさい。



説明

① まず,真北の方向を示す矢印を書きます。








② 次に,「偏角6°W」ですから,真北の方向から6°西にそらして,磁針の絵を描 きます。





③ 「磁北から30°W」ですから,磁針のN極から西へ,30°の方向に矢印とA山を 描きます。




④「A山の真北からの方位」を「真北-磁針の中心(観測者)-A山」のなす角を求めれば良いことになります。

答えは,真北から「36°W」となります。






★5 全磁力などを求める例題

 A地点での全磁力が0.2ガウス,伏角30°である。鉛直分力を求めよ。


説明

 前の例題のように,とにかく図を描くのがよい。図を描くことによって題意が明らかになり,解答へ導かれること

が多いのです。





① 鉛直分力はいくらか。

 sin30°=鉛直分力/0.2ガウス=0.2ガウス・1/2=0.1ガウス



② ①では,「磁針のN極の先端に,下向きに0.1ガウスの力が働いたので水平から30° だけ下を向いた」と考えま

す。したがって,磁針の反対側のS極の先端に0.1ガウス分 のおもりを付けると,磁針は水平になります。





③ ②で水平になるように調整した磁針を,全磁力が0.2ガウス,伏角が40°のB地点 で振らせたとします。B地点では

磁針のN極は,上下どちらを向くのでしょうか。

説明

 4つの地磁気の要素をA地点については青,B地点については赤で「重ね書き」をします。







A地点で磁針のN極の先端に,下向きに0.1ガウスの力が働いた時,水平になるように調整しました。B地点では

鉛直分力=0.1ガウスより大きい力が働きます。

(B地点での鉛直分力=0.2ガウス・sin40°>A地点での鉛直分力=0.2ガウス・sin40°)

 従って,「A地点で水平になるように調整した磁針のN極は,B地点では下を向く」ことになります。

「日本付近の偏角4°W~10°W,伏角40°N~60°N」の値は押さえておきましょう。


No.2 地磁気 の説明に係る英単語


magnetism:磁気,comprehend:理解する、adjust:補正・調節する(adjustment:補正・調節)、function:機能、作用、関数、in addition to~: ~に付随して、move(transfer):移動する、confer:参照する,suitable for(to):~に適切な、expression:表現、by accident(accidentally):偶然に、correspond with(to) ~:一致する、arrive at~:~へ到達する


 地磁気の変化

(1) 短期的な変化=太陽に原因

   
 ①日変化 帯電粒子の流れ(簡単に言えば電流と言ってよい)

   
磁気嵐 フレア 太陽の表面で爆発が起こり帯電粒子の流れに大きく変化する


(2) 長期的な変化=地球内部に原因

    偏角は300年で15度→「磁極は西へ」

    全磁力は100年間で5%減少

   








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