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シンガポール植物園
 午前5時開園。植物園の中に国立らん園があり、6万本ものらんが植えられていると-説明書にあった。写真はchao praya gold といわれる品種。沖縄県でも栽培されている。
阿蘇山
 単独な山体をイメージしてしまうが、阿蘇五岳 (あそごがく)といって高岳(たかだげ:写真の奥が頂上1592m)、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳などが「阿蘇山」を形作り、登山対象の山となっている。
 巨大なカルデラの中の中央火口丘群、寄生火山であり、百名山の一つ。
ベトナム バッチャ村
 ハノイから約10kmにあるバチャ村。村民の9割がバチャ焼き(陶磁器)に携わっているとのこと。お土産に赤色の小皿を買ってきたところ、青色がメインのようだった。
ローマ トレビの泉
 コロッセオ、スペイン広場とともにローマの有名な観光地。その歴史は思いがけなく古く、古代ローマ皇帝アウグスツスの時代まで遡る。現在の泉にしても250年の歴史を持つ。FENDIの支援により修復されるとのこと。
18 転向力(コリオリの力)、地衡風・地衡流
1 「それでも地球は回っている」(ガリレオ・ガリレイGalileo Galilei)

 われわれは自転している地球上で生活しているにも拘わらず、それを認識することはない。

天気予報で台風や低気圧が来て、気象衛星でその画像をTVで見たときに、渦巻きになってい

ることでこれが地球の自転に関係しているのだったかな?その程度の認識ではないだろうか。

下の図を見て考えてほしい。
 
 ロケットが両極上空を結んで地表すれすれに、しかも時速地球の緯度にして15度、飛んでい

るものとする。一方地球は24時間で360度自転、1時間に15度自転する。

 はじめに、ひとみちゃんに宇宙に行ってもらい、宇宙からロケットと地球の自転の様子を観察

してもらう。図の「①宇宙から見たロケットの動き」のとおり、ロケットは北極点から南極点向けて

周回し、地球は西から東へ(北極上空から見て反時計回りに)自転しており、何ら面倒くさいこと

は起こっていない。

 次にひとみちゃんは北極点に立ち(「②北極点から見たロケットの動き、違うんだなあ」)、ロ

ケットは(経度0度の経線に沿って)南極に向けて飛び立ったとする。1時間後ロケットは北緯75

度地点に到達。一方地球は15度自転しているので、合成された位置として、ロケットはAの位置

に移動したようにひとみちゃんには見える。更に一時間では 北緯60度地点、さらに地球は15度

自転しロケットはB地点に、・・・さらにロケットはC地点に、そしてD地点へと。

(上の図の「経度差」が「軽度差」に誤って表示されていました。訂正します。)
 このように実際は外力は働かないのに、回転する表面上で運動する物体には「見かけ上の力」が働き、そ

の物体は時間とともにそれて行くように見え、この力を転向力(コリオリ(coriolis 1792-1843)の力)という。地

球規模で運動する大気の流れ・海流には転向力が大きく働くことになる。

 フーコー振り子(フーコー(J.B. L. Foucault 1819 - 1868))を

①下の図は北極点で振らせたときの様子を描いている。赤の丸は振り子の重りが振れている様子を示し、

×は振り子の糸の支点。振り子の振動が減衰しないとすれば1時間後、巨大な家ABCDが自転するため、

振り子の振動面と経線A-Bは15度、振り子は右手にずれることになる。









②中緯度で振り子を振らせたとき、北極点で振らせたときと同じように1時間で15度のずれは生じ

ないが、巨大なABCDの家は鉛直軸回りに角度にして何度か回転する。




③最後に、赤道上で振らせると

 下の式からθ=0,sign0=0で、転向力はゼロ、振り子は回転しないことになる。

 転向力は極で最大、赤道に向かって小さくなり赤道で0となる





フーコー振り子(J.B. L. Foucault 1819 - 1868)




国立科学博物館 フーコー振り子

 物理学者フーコーは、1851年フランスのパンテオン寺院のドームで、天井から28kg

の鉄球を67mの鋼鉄線で吊し、振り子を振らせた。そして振り子の振動面を上から

見て、右回り(時計回り)に回転していくことを確認し、地球が自転していること実験的

に証明した。

 振り子の1時間あたりの回転角度をx、振り子を振らせる地点の緯度をθとすると

x=sinθ・15°で表される。

  たとえば、北極の場合、(θ=90°、X=15°、1日=24時間では、

24✕15°=360°)360°回転する。

 写真は国立科学博物館(東京・上野)のフーコー振り子。フーコー振り子の設置

場所(国立科学博物館(東京・上野))の緯度は、北緯35度42.8分で、1時間あたり

振り子の振動面は8°46.8分回転し、およそ41時間で360°回転すると説明している。



2 地衡風・地衡流


 中緯度上空に西風(西から東へ吹く風)が定常的に吹いている。地球は丸いので、

川のように上流では「強流に対応した」「強風」・下流では「緩やかな流れに対応した」

「そよ風」が吹くというようなことはない。どこでもおよそ等しい速度の風が常時吹いて

いる。そのためには空気塊に働くが釣り合っていなければ、加速したり減速したりす

ることになる。上空の風の力のつり合いは、気圧傾度力と転向力で、下の2つの図

のように考えられている。


 下の図は北半球の上空の地衡風と加わる力のつり合いを表したもの。中緯度付近

では大気の温度差による気圧傾度力が大きくなり圏界面で吹く偏西風は100m/秒

にも達し、「ジェット気流」と呼ばれる。


3 ジェット気流の飛行機に帯する影響


 成田⇔ロサンジェルス間の国際便(シンガポール航空)をこのたび利用したが、

航空機に及ぼすジェット気流の影響は非常に大きいといえる。所要時間もそうだ

が、燃料消費は航空会社にとって大きな問題になるだろう。

   成田→ロサンジェルス  ロサンジェルス→成田
 所要時間        9時間35分        10時間27分

 下の写真は成田→ロサンジェルスの航空機。自分の前の座席の後ろに表示

されたコンピューター映像。飛行高度は39069ft(約11.9km、圏界面付近)、

時速は631mph(約1000km/h、)外気温は-67°F(-55°C(家庭の冷凍

庫は-18℃、外は極めて低温))、ロサンジェルスの空港まであと41分の表示。

国際線は過酷な自然条件の中を飛んでいると思った。








ひとみちゃんの疑問=「どうして偏西風が吹くの?

地球は西から東に向かって自転してるんでしょ。東から西に向かって吹くのなら分かる

けど」




ひとみちゃんの疑問 図-1

 
 地球の赤道付近は半径約6400km、一周は(2✕π✕6400km)で、24時間で1自転。というこ

とは、赤道付近での東向きの速度Vは、V=2✕π✕6400km÷24時間≑1600km/時。だから、

赤道付近では1600km/時のとんでもない東風(東→西)を受けるのではないの?そう考え

た。(ひとみちゃんの疑問 図-2)


ひとみちゃんの疑問 図-2

 
 走っている自動車に乗っていて、窓から手や顔を出せば(実際、そのように出しては危険

です。やってはいけません。)、進行方向前方から風を受ける。これは自動車が「動いていて」、

自動車の外側の大気は自動車の動きとは関係なく「止まっている」ことから起きること。

(ひとみちゃんの疑問 図-3)



ひとみちゃんの疑問 図-3
 
 一方、走っている自動車の中にいれば、自動車の中の大気も車とともに移動しているの

で、車に乗っている人は「風」として受けとめることはない。

(ひとみちゃんの疑問 図-4)



ひとみちゃんの疑問 図-4
 それと同じように地球=自動車、で、地球の大気= 自動車の中の大気 の関係と考えて

良い。

 したがって、ひとみちゃんが考えるような、地球自転による定常的な東より(東→西)の風

が吹くことにはならない。

 偏西風は、熱収支の緯度別変化と転向力によるものなのである。


4 地上風


 地表付近では「流れの向き」の反対に地表の摩擦力が生じ、この摩擦力と転向

力の合力と気圧傾度力が釣り合って地上風が吹く。

 図から分かるように、摩擦力が大きくなれば、風向きは等圧線に急角度になる。

また、摩擦力が0になれば上図の「地衡風・地衡流の力のつり合い」になることが了解されよう。





  地学で学ぶ英単語 No.18   

botanic garden:植物園、orchid:ラン(蘭)、chinaware:陶磁器、history:歴史、auto rotation:自転、

ecognize:認識する、weather forecast:天気予報、scroll,curl,coil:渦巻き、cyclone,depression:

低気圧、weather satellite:気象衛星、image,pictorial:画像、sky:上空・空、surface,ground:地表・

地面、latitude:緯度(longitude:経度)、universe,space:宇宙、observe:観察する((n)observation)、

go around:周回する、clockwise rotation:時計回り(anticlockwise rotation:反時計回り)、apparent :

見かけ上の、defectinng force:転向力 、atmospheric flow :大気の流れ、oceanic current:海流、

equator:赤道、maximum:最大・最高、body.object:物体、experimentaly:実験的に、prove:証明する、

regularly:定常的に、atmospheric pressure:気圧、question:疑問・質問、radius:半径、friction:摩擦













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