No.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支



 太陽定数=「1.5億km離れた太陽からどれくらいの暖かさ、明るさ(=エネルギー)を頂いているか」表した値。

 Cal(カロリー)表示をしたり、W(ワット)表示をしたり学習指導要領の改正によって変化しています。

 近年は1.366✕10W/mのW表示のようです。(太陽光線に垂直な1m2の平面に、1366Wのエネルギーが届いている。ワットは、電子レンジなどで出てきますね。)cal表示では2.0cal/cm・min

 

 図-1


 ところで、太陽から放出されるエネルギーはひとみちゃんが掲げている1mの平面にだけエネルギーがやってきているのではありません。下の絵のように、太陽光線に垂直なとなりの1m の平面にも、そのとなりの1m の平面にも、そのとなりの1m の平面にも・・・・・。

 

 図-2


 このことから太陽が宇宙空間に放射しているエネルギー量を計算することが出来ることが分かります。
 
すなわち、

 太陽放射全エネルギー量(1秒あたり)=半径1.5億km(✕1000m)で作った球の面積(m)✕太陽定数(1.366✕10W/m

 計算しなくても理解できるとおり、太陽放射全エネルギー量は莫大なもの。しかも全くの無料。

 明るさと、暖かさ、私たちの命の礎であり神のような存在です。

 水星は太陽から約6000kmの距離。莫大なエネルギーが分配される球の面積がきわめて小さくなるので、水星での太陽定数は極端に大きくなります。太陽に面した水星の表面温度は400℃と言われます。それ故、灼熱の惑星、水星。

 一方、地球より太陽から遠い惑星では太陽定数が小さくなり、常時液体の水が存在できない状態になり生命の発現が難しくなるわけです。



 どういうことかと言えば、ひとみちゃん(=地球)が100円のお小遣い(太陽からエネルギー)をもい(熱収入)、ぴったり100円のお小遣いを使い切っている(熱支出)-ということになります。

 従って、地球は一定に温度が保たれています。
 
(しかしCO2による温室効果によって地球の温暖化が問題になっているのは周知のとおりです。2013年5月、CO2濃度が400ppmを越えました。)

 

 図-3

 収入=太陽から100のエネルギー

 支出=地表+雲+大気の反射・散乱が34、暖まった地表+大気から66、100円もらって 100円きちんと使い切っています。

 その結果、地球は全体として暑くも、寒くもならず一定の温度に保たれていることになります。

 


 物体はその温度(表面温度(絶対温度°K)=T)に応じてその表面から電磁波(波長=λm)を放出しています(ウィーンの変位則 HP No.31 太陽 「3 太陽の表面温度」で再出)。


 λm・T=C(constant=一定)

 上の式から分かることは、「波長×温度が一定」であると言っていますから、高温の物体(太陽)からは波長の短い電磁波が、低温の物体(太陽によって暖められた地球)からは波長の長い電磁波が強く放射されることが分かります。

 図-4をご覧ください。太陽からは波長の短い紫外線・可視光線が放射されます(λm=0.4~2.8µm)。これらは地球の大気に含まれている窒素・酸素・二酸化炭素・水蒸気に対しては「無関係」、「透明」で地表まで到達します。

 

 図-4

 温められた地球は(温度は低いわけですから)波長の長い赤外線を放射します(λm=10~15µm)。ところが大気に含まれている二酸化炭素・水蒸気はこの波長の長い赤外線には「関係」し、「不透明」で大気圏外へのエネルギー(熱)の放射を抑えます。

 この結果、地表からの「赤外放射が大気によって吸収され、大気の下層が高温に保たれる状態」になりこれを「温室効果」といいます。

 図-5(出典:国立環境研究所 地球環境研究センター)

 青い曲線が地球から放射される赤外線の波長と強さ(流出量)で、赤い曲線が大気の上面=宇宙との境界から放射される赤外線の波長と強さ(流出量)になります。赤の曲線に凹凸があるのは、大気に含まれる分子によって吸収する赤外線の波長も異なれば、その量も異なる―そういうことを示しています。

 したがって、青い曲線と赤い曲線の差が大気に含まれるH2O、O3、CO2が吸収したエネルギー(=温室効果に寄与するエネルギー)ということになります。

 図-5の右にはそれぞれの物質が温室効果にいくら効果を与えているかを示しています。CO2が温室効果の根源のように思われていますが、水蒸気はCO2の2倍以上であることが分かります。

 水蒸気以外の人為起源の温室効果ガスの総排出量に占めるガスの種類別の割合は図-6のようになっています。

 

 図-6 (出典:気象庁データ(2010年の二酸化炭素換算量での数値: IPCC第5次評価報告書))

 というわけで、温室効果のしくみが「ビニールハウスは冷たい風が当たらないからハウス内は暖かい」というような理解は完全解にはならないことがわかります。

 



 下の図-7を参照。

 地球の自転軸と公転軌道面とは66.6度で交わっている。これが90度であれば、どこでも毎日真東から太陽が昇り、天頂を通過し、真西に沈み、両極では太陽は1日1回地平線を巡ることになります。 
 地球の自転軸と公転軌道面とは66.6度で交わっているので、1年周期で太陽高度が変化し、それとともに受け取るエネルギー量が変化することによって「四季」が生じます。

 

 図-7


 

 図-8
 図-8から分かるように、低緯度地方は太陽光線に高角度で受け取るエネルギーは大きくなり、極~高緯度地方は太陽光線に低角度で受け取るエネルギーは小さくなることが理解できるでしょう。

 一方物体の表面から放射されるエネルギー量の大きさは(E)、物体の表面温度(絶対温度)の4乗に比例します(シュテファン・ボルツマンの式、恒星の世界で説明します)。低緯度地方、極~高緯度地方の表面温度(絶対温度)はさしたる差はありません。従って、地球表面から放出されるエネルギー量は低緯度地方、極~高緯度地方であまり変わりありません。

 以上まとめれば

 ◎入ってくるエネルギー=低緯度地方では大、極~高緯度地方では小

 ◎出て行くエネルギー=低緯度地方、極~高緯度地方で余り変わりない

これを図に書くと以下のようになります。

 図のように緯度37度以北(以南)では、実際のところ太陽からのエネルギーが不足となり、寒冷化が進んでいるか-というとそうはなりません。大気・海水の大循環によって低緯度地域のエネルギーが高緯度に輸送されています。


 大気による熱輸送が海水のそれの2倍にもなっていることは重要。

 

 図-9



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