図の変成岩の顕微鏡スケッチは、直径が約2mm。構成鉱物は石英≒斜長石>黒雲母で、ザクロ石がわずかに含まれる。
不明瞭ではあるが、有色鉱物の黒雲母、無色鉱物の石英・斜長石は縞状構造を呈しており剥離性はない。全体的に粗粒、完全に 再結晶された鉱物からなる岩石である。
以下の問いに答えよ。
(1) 問題文の「有色鉱物の黒雲母、無色鉱物の石英・斜長石は縞状構造」は何と呼ばれるか。
(2) この鉱物組み合わせ、組織から考えられるこの岩石名はなにか。
(3) この変成岩を形成した、変成作用のタイプ(「型」)は何か。
(4) この変成岩の成因について、「島弧・海溝系」、及び火山前線との関係で簡単に説明せよ。
(5) この岩石の変成作用が進行し、部分的に溶融して形成された岩石は何か。
【解答・解説】
(1)片理、または片状構造、あるいは片麻状組織(再結晶鉱物が大きく剥離性がないと問題文に示されている)
(2)石英・斜長石・黒雲母片麻岩 (cf.「No.13 変成作用と変成岩」)
(3)高温低圧型広域変成作用 (cf.「No.13 変成作用と変成岩」)
(4)島弧に対して海洋プレートが沈降し、プレート物質から水が分離しマントル物質に供給される。その結果、マントル物質の融点 が低下してマグマが生ずるが、マグマの生ずる海側の限界が火山前線で、この近辺では高温低圧型広域変成作用が行われているの ではないかと考えられている。(cf.「No.12 プレートテクトニクス」)
(5)ミグマタイト、または混成岩