No.18 転向力(コリオリの力)、地衡風・地衡流




 「それでも地球は回っている」(ガリレオ・ガリレイGalileo Galilei)

 われわれは自転している地球上で生活しているにも拘わらず、それを認識することはない。天気予報で台風や低気圧が来て、気象衛星でその画像をTVで見たときに、渦巻きになっていることでこれが地球の自転に関係しているのだったかな?その程度の認識ではないだろうか。

下の図を見て考えてほしい。
 
 ロケットが両極上空を結んで地表すれすれに、しかも時速が角度にして地球の緯度にして15度、飛んでいるものとします。一方地球は24時間で360度自転、1時間に15度自転することになりますね。

 はじめに、ひとみちゃんに宇宙に行ってもらい、宇宙からロケットと地球の自転の様子を観察してもらう。図の「①宇宙から見たロケットの動き」のとおり、ロケットは北極点から南極点向けて周回し、地球は西から東へ(北極上空から見て反時計回りに)自転しており、何ら面倒くさいことは起こりません。

 次にひとみちゃんは北極点に立ち(「②北極点から見たロケットの動き、違うんだなあ」)、ロケットは(経度0度の経線に沿って)南極に向けて飛び立ったとする。1時間後ロケットは北緯75度地点に到達。一方地球は15度自転しているので、合成された位置として、ロケットはAの位置に移動したようにひとみちゃんには見える。更に一時間では 北緯60度地点、さらに地球は15度
自転しロケットはB地点に、・・・さらにロケットはC地点に、そしてD地点へと。

(上の図の「経度差」が「軽度差」に誤って表示されていました。訂正します。)

 このように実際は外力は働かないのに、回転する表面上で運動する物体には「見かけ上の力」が働き、その物体は時間とともにそれて行くように見え、この力を転向力(コリオリ(coriolis 1792~1843)の力)といいます。

 さらに、この力は地球規模で運動する大気の流れ・海流に大きく働くことになります。 

 

 

 フーコー振り子(フーコー(J.B. L. Foucault 1819 - 1868))を①下の図は北極点で振らせたときの様子を描いています。

 

フーコー振り子(鉄球が天井から鋼鉄線で下げられており、地球の自転が実感できます。上野・国立科学博物館)

① 下の図は北極点で振らせたときの様子を描いています。赤の丸は振り子の重りが振れている様子を示し、×は振り子の糸の支点。振り子の振動が減衰しないとすれば1時間後、巨大な家ABCDが自転するため、振り子の振動面と経線A-Bは15度、振り子は右手にずれることになるでしょう。

② 中緯度で振り子を振らせたとき、北極点で振らせたときと同じように1時間で15度のずれは生じないが、巨大なABCDの家は鉛直軸回りに角度にして何度か回転する。



③ 最後に、赤道上で振らせると

 下の式(x=sinθ・15°)からθ=0,sin0=0で、転向力はゼロ、振り子は回転しないことになります。

 物理学者フーコーは、1851年フランスのパンテオン寺院のドームで、天井から28kgの鉄球を67mの鋼鉄線で吊し、振り子を振らせました。そして振り子の振動面を上から見て、右回り(時計回り)に回転していくことを確認し、地球が自転していること実験的に証明しました。
 振り子の1時間あたりの回転角度をx、振り子を振らせる地点の緯度をθとするとx=sinθ・15°で表されます。

  たとえば、北極の場合、(θ=90°、X=15°、1日=24時間では、24✕15°=360°)360°回転することになります。

 上の写真は国立科学博物館(東京・上野)のフーコー振り子。フーコー振り子の設置場所(国立科学博物館(東京・上野))の緯度は、北緯35度42.8分で、1時間あたり、振り子の振動面は8°46.8分回転し、およそ41時間で360°回転すると説明しています。


 転向力は極で最大、赤道に向かって小さくなり赤道で0となります。

 見かけの力である転向力の大きさを求める公式は以下の図に示されるとおりになります。


 

 中緯度上空に西風(西から東へ吹く風)が定常的に吹いています。地球は丸いので、川のように上流では「強流に対応した」「強風」・下流では「緩やかな流れに対応した」「そよ風」が吹くというようなことはありません。どこでもおよそ等しい速度の風が常時吹いています。

 そのためには空気塊に働くが釣り合っていなければ、加速したり減速したりすることになるからです。上空の風の力のつり合いは、気圧傾度力と転向力で下の2つの図のように考えられています。


 下の図は北半球の上空の地衡風と加わる力のつり合いを表したもの。中緯度付近では大気の温度差による気圧傾度力が大きくなり圏界面で吹く偏西風は100m/秒にも達し、「ジェット気流」と呼ばれます。




 成田⇔ロサンジェルス間の国際便(シンガポール航空)をこのたび利用しました。ジェット気流が航空機に対して追い風になるか、向かい風になるかで、所要時間が大きく違ってきます。航空機に及ぼすジェット気流の影響は非常に大きいといえます。

 所要時間もそうですが、燃料消費量はは航空会社にとって大きな問題でしょう。

 また、国際便が飛んでいる高さは圏界面付近、高度約11km付近で大気は地表の3/4ほどの薄さです。ジェット機が飛ぶための揚力を得るためなら、大気の薄いところは不利ではないかと思ってしまいます。しかし、これにはわけがあります。後ほど説明しましょう。

  成田→ロサンジェルス   ロサンジェルス→成田
所要時間   9時間35分          10時間27分

 

 下の写真は成田→ロサンジェルスの航空機。自分の前の座席の後ろに表示されたコンピュータ画像。飛行高度は39069ft(約11.9km、圏界面付近)、時速は631mph(約1000km/h、)外気温は-67°F(-55°C(家庭の冷凍庫は-18℃、外は極めて低温))、ロサンジェルスの空港まであと41分の表示。国際線は過酷な自然条件の中を飛んでいると思いますね。



ひとみちゃんの疑問=「どうして偏西風が吹くの?地球は西から東に向かって自転してるんでしょ。東から西に向かって吹くのなら分かるけど」


 地球の赤道付近は半径約6400km、一周は(2✕π✕6400km)で、24時間で1自転。ということは、赤道付近での東向きの速度Vは、V=2✕π✕6400km÷24時間≑1600km/時。

 だから、赤道付近では1600km/時のとんでもない東風(東→西)を受けるのではないの?そう考えた。

 

  走っている自動車に乗っていて、窓から手や顔を出せば(実際、そのように出しては危険です。やってはいけません。)、進行方向前方から風を受けます。これは自動車が「動いていて」、自動車の外側の大気は自動車の動きとは関係なく「止まっている」ことから起きることになります。

 一方、走っている自動車の中にいれば、自動車の中の大気も車とともに移動しているので、車に乗っている人は「風」として受けとめることはありません。


 それと同じように地球=自動車、で、地球の大気= 自動車の中の大気-の関係と考えて良いでしょう。したがって、ひとみちゃんが考えるような、地球自転による定常的な東より(東→西)の風が吹くことにはならなりません。

 偏西風は、熱収支の緯度別変化と転向力によるものなのです。



 地表付近では「流れの向き」の反対に地表との間に摩擦力が生じ、この摩擦力と転向力の合力と気圧傾度力が釣り合って地上風が吹くことになります。

 図から分かるように、摩擦力が大きくなれば、風向きは等圧線に急角度になります。また、摩擦力が0になれば上図の「地衡風・地衡流の力のつり合い」になる-等圧線に平行に吹く(流れる)ことが了解されでしょう。



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