2016 センター試験



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2016年 センター試験 地学問題

 以下にセンター試験の問題解説を行います。HP上の問題文は実際の問題の「空白を圧縮」するなど改変しています。実物に近い問題は大学受験学習塾、大学受験模試を行っている各社のHPから手に入れるなりしてください。なお、問題文は黒色で、解説・考え方は青色で示しました。

 第 1 問~第 4 問は必答、第 5 問、第 6 問から1問選択


 


【第 1 問 解説・解答】

解答番号 1 参照HP No
 断層面の上盤側(西側)が下盤側に対して相対的に上昇しています(∴逆断層)。その動きを黄色の矢印で示しています。このような運動を起こす力には、図に示すような直交する圧縮力と張力が働きます。このような力が働いた場合、問題文に示された断層のほかに、これに直交するような断層も形成されることがあり、これらを共役断層といいます。

 加わる力が水平方向で張力、垂直方向で圧縮力では正断層ができることになります。(図を描いてみてください)ですからアは「押し」、になりますし、例えば黄色矢印の水平方向分の変位だけB地点は東に移動するわけですから、B地点は「近づく」ことになります。答は①

解答番号 2 参照HP No
 ブーゲー異常とは、「標準重力と重力の測定値の補正値との差」です。「ブーゲー異常が+の場合、ジオイド面(≒地表面)の地下には密度大の物質の存在」が、「ブーゲー異常が―の場合、ジオイド面下には密度小の物質の存在」が推定されます。

 問題文の図-1、断層の西側では密度の小さい堆積層が薄く、密度の大きい岩石層が地表付近まで上昇してきています。ですから、ブーゲー異常は+側に触れます。一方、断層の東側では密度の小さい堆積層が厚く、密度の大きい岩石層が地中深くにあります。ですから、ブーゲー異常は―側に触れることになります。

 したがって西側でブーゲー異常は+、東側で-となりますから答は④となります。

 

解答番号 3 参照HP No.4 地震 「3 近地地震の走時曲線」
 この問題は以下の公式で考えます。d:地殻の厚さ、ℓ:屈折点距離、v1:p波の直接波の速度、v2:p波の屈折波の速度 

 ①√ の中はある程度一定の値になりますから、地殻の厚さdは屈折点距離ℓに比例します。
 問題文の「堆積層の厚さ」(地殻の厚さdととらえて良いわけです)はAS間<SB間ですから、屈折点距離ℓはSB間において長くなります。

 ②直接波の速度は屈折波の速度より遅いわけですから、グラフでは「直接波の傾きは屈折はより大きく(きつく)」なります。

 
 以上を踏まえて問題文の図-1に走時曲線を「スケッチ風」に書いてみます。

 

答え④

 

解答番号 4 参照HP No.12 プレートテクトニクス 「大陸・縁海・島弧・海溝・海嶺系と変成作用、マグマ発生の関係」の「和達・ベニオフ面」、「深発地震面の傾斜」

EarthSystem2016_5より引用(http://www.es.tohoku.ac.jp)


 和達・ベニオフ面に沿って地震が発生しますが、海溝付近では震源の深さが浅く、地震が頻発するのに対し、プレートの沈み込みにしたがって次第に震源の深さが深くなり、地震の発生は少なくなります。
 ですから①、③は明らかに誤りです。②は震源の深さが400km程度で解答には適当ではありません。答え④ 

解答番号 5 参照HPNo.4 地震 「4 遠地地震の走時曲線」、No12.プレートテクトニクス「 ホットスポット、プレートの移動速度の求め方」
 HPNo.4 地震 「4 遠地地震の走時曲線」で、地震波のP波がマントルから液体の外核へ入射する際、外核が液体のためP波の速度が減速しそのため屈折することを学んでいます。このことからヒントを得れば、高温のマントル物質が完全な液体状態ではなくても、(ウ)は「低速度」と見当がつくでしょう。
 一方図3では、「→Ⅰ」は圧力低下=固体マントル物質の地下からの上昇ですし、「→Ⅱ」は固体マントル物質の温度上昇になります。
 ホットスポットではマントル物質が上昇して部分溶融し玄武岩質マグマが定常的に供給されている地点ですから(エ)は「Ⅰ」が適当になります。答え③  

解答番号 6 参照HPNo.10活火山 「② ホットスポット(hot spot)」、No12.プレートテクトニクス「図A~C」
プルームは、ホットスポット直下にあるマントル物質の上昇経路。
解答の選択肢①:巨大なプルームはアフリカ(カメルーン、大地溝帯に)と南太平洋にその存在が知られています。正しい。〇
同②:海嶺ではプルームではなく、上部マントルからの熱上昇によって玄武岩質マグマが形成され海底がつくられています。間違い
同③:正しい○
同④:正しい○、ハワイ諸島・天皇海山列、したにがって答え②

解答番号 7 参照HPNo12.プレートテクトニクス 「中央海嶺と地磁気の異常の縞模様」                  ①鉄などの磁性鉱物はある温度(キュリー温度)を越えることで磁性を帯びたり、磁性を失ったりします。現在我々が手にしている鉄は冷えて固まったものですから、キュリー温度を経ているわけです。したがって、「鉱物粒子が沈降する間に磁化される」ことはありません。誤り
②は上の説明と、地磁気の逆転との関係から正しい説明といえます。
③「地磁気の逆転が平均1千万年に1回」ということは正しくありません。(例えば、HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物「チバニアン Chibanian」「千葉」の名前が国際的な地質年代区分の1つに採用へ」)
④地磁気の逆転は地球全体に同時に起こるわけですから、岩石・地層にとって「示準化石」としての役目をはたします。④の記述は誤り 答②

解答番号 8 参照HPNo.2 地磁気「地磁気の五つの要素」、図3(a)
 磁針は図3(a)に示されるような磁力線に一致し(して止まり)ます。同じように、熱残留磁気も堆積残留磁気も同じような仕組みで記録されます。
 問題となっている岩石が磁化されるわけですが、まず、伏角0°となるところは図3(a)から赤道付近であることが分かります。また磁力線は南北方向ですから偏角は0°に磁化されるはずです。それが、プレート運動によって運ばれ「偏角が現在の北の方向から30°東に向いている」ということですから、30°だけ時計回りに回転したことになります。

答⑤



 


【第 2 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.16 堆積物と層序「3 地層の走向・傾斜」、「6 地形断面図・地質断面図の書き方」
 断面線XYで断面図を書くと次のようになります。したがって答えは①

 

解答番号 2 参照HP No.9 火成岩 「色指数(colour index)の計算」、「火成岩の分類」
 下線(a)「等粒状」とありますから深成岩になります。また、「有色鉱物の体積比が30%」とあります。
 中性の深成岩ですから、正解は閃緑岩④

 

解答番号 3 参照HP No
 鉱物Aは「白色で透明感のない柱状」と説明しています。「柱状」とは 自形鉱物であることを示しています。無色鉱物の晶出順序の最後は石英で、それゆえ先に晶出した鉱物のすき間を埋める形でできるため他形となります。したがって鉱物Aは斜長石になります。
 一方角閃石と共存する有色鉱物は何になるでしょうか?問題文では「有色鉱物の体積比が30%」、「暗緑色短柱状」の鉱物とあります。HPNo.9 火成岩 「火成岩の分類」の「図」から考えれば「輝石」と考えられます。(しかし、なかなか厳しいところを突いた問題です。)答えは①


解答番号 4 参照HP No.14 地質年代区分と化石・古生物 「氷期」
 これは難問です。O18が氷には取り込まれやすいため、O18とO16の存在比が化石にどのように時代ごとに残っているか調べると気候変動(寒冷化の度合い)がわかることになります。
 日本では海面が低下して大陸と陸続きになりました(日本海は大きな池の状態に)。間氷期である現在は対馬海峡など船が航行してますから、氷期に「海面が現在より3m低い」ことはないと-考えるでしょう。答え③


解答番号 5 参照HP
a 四万十帯の形成=中生代~第三紀
b 伊豆・小笠原弧の本州弧への衝突=第三紀終わり頃で丹沢山地が形成
c 美濃・丹波帯の形成=三畳紀の礫岩・砂岩・泥岩・チャートなどの堆積岩
ですから古い順にc→a→b答え⑤

 日本列島の形成順序は難しく思えますが、簡単に言えば、能登半島を中心とする飛騨変成帯を取り巻く飛騨外縁構造帯が時代的に古く、次第に太平洋側に向かって付加・造山作用・変成作用によって新しい地質構造帯が作れて行きました。ですから、上の問題で、地理的な位置関係が整理されていればある程度時代的な順序の判断がつきます。





【第3問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支「4 緯度による太陽からの受け取るエネルギー量の違い」、No.25 海洋「⑥ 海流」
 緯度35~37°付近でエネルギー収支が+-が転換します。しかし、大気と海流による熱輸送(大気:海流≑2:1)が両極方向へ行われます。その結果地球放射の南北差は小さくなります。
 また、海流の主な原因は偏西風、貿易風などによって海水が吹き寄せられてできる流れの風成海流です。答え④


解答番号 2 参照HP No.25 海洋「⑥ 海流」
①:大気と海流による熱輸送比は、大気:海流≑2:1であるのでAは大気Bは海洋で、①は誤り。
②:緯度35~37°付近でエネルギー収支が+-が転換します。②は正しい。
③:熱輸送がなかったら高緯度地方はますます低温になります。
④:③と同じで北向きであれば南極地方を中心とする高緯度地方は極低温になるはずです。答え②


解答番号 3 参照HP No.19 大気の構造 「4 大気の循環」、HPNo.23 日本の天気の特徴 「梅雨」
①:亜熱帯高圧帯では下降気流が生じ雲の発生が見られず当然降雨も起こりません。世界の陸上では砂漠が発達し海上では海水が蒸発します。誤り。
②:教科書の図のとおり。正しい。答え②
③:ハドレー循環の対流圏下層では、南向きに吹き出す風が進行方向右向きに転向力をうけ北東貿易風となり赤道へ収束します。誤り。
④:オホーツク海高気圧の成因はオホーツク海の「冷たさ」にあります。誤り。


解答番号 4 参照HPNo.19 大気の構造 「4 大気の循環」図-7、HPNo.23 日本の天気の特徴
①:偏西風波動によって低緯度から高緯度へエネルギー(暖かさ)が運ばれています。誤り。
②:真冬には風が強く、盛夏に風(偏西風)がもっとも弱くなることを経験しています。誤り。
③:梅雨期ジェット気流は北上し、チベット付近で2本に分かれそのうち北側の流れがオホーツク海高気圧を強めるので、正しい記述。答え答え③
④:「低緯度側に寒気」、「高緯度側に暖気」は逆でしょう。誤り。


解答番号 5 参照HPNo.25 海洋 「世界の深層水の起源と循環」、⑦ 亜熱帯環流
①:高温の水は密度が小さいですから沈降はしません。誤り。
②:教科書の図を見ればわかりますね。東向きです。誤り。
③:一見迷いますが、循環には千年単位の時間がかかります。誤り。
④:日本付近を北上する黒潮と同じで西岸強化(流)のことを説明していますから、正しい。正解は④


解答番号 6 参照HPNo.25 海洋 ⑩ 潮汐
「地球と月の共通重心まわりの公転半径は、地球上どの地点でもその半径は等しい」ので③、④は誤り。また2つの物体間に働く引力は物体の質量の積(この問題では地球と月の質量の積)に比例し、2つの物体間の距離の二乗に反比例します。ですから、月に近いところほど月の引力は大きくなります。「エ」は大きいとなり、答えは②


解答番号 7 参照HPNo.25 海洋 ⑩ 潮汐
満月の時、太陽-地球-月と一直線になり海面を引き上げますから、起潮力を弱めることにはなりません。①、②は誤り。
 満潮が一回か二回かは太陽と月の位置関係が原因ではありません。答え④


解答番号 8 参照HPNo.25 海洋 ⑨津波の速度・津波の威力
「波の速さは水深に依存する」としながら、その前段では「長波」であることを説明しています。ここを見逃すと10mと4000mの反比例の関係と思ってしまいます。V=√gh(g=重力加速度h=水深)、V浅=√9.8×10≑10m/秒、V深=√9.8×4000≑200m/秒、
V浅/V深=10m/秒/200m/秒=1/20 答え③




【第4問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.28 地球・惑星の公転 「1 年周光行差」、図-11
HPNo.28 地球・惑星の公転図-11に示されるように、恒星は黄道の極に含まれるとみられますから、恒星は黄道の極を中心に半径20.5"で描いた円運動を行うことになります。
 また、地球は30km/秒で公転軌道を等速運動を円運動(ほぼ円運動)するので一年間一定です。答え①


解答番号 2 参照HPなし
センター試験地学の問題にふさわしいのかね?
4年に1度2月29日をもうけなくてはならないしくみは、何となくわかっていると思います。1太陽年は365.2422日。
これで4年経過すると、365.2422日×4(年)=1460.9688日≑1461日で、365日を3回と366日を1回設けなければなりません。(うるう年となります。)

 この4年間、1年の平均は1461日÷4=365.25日となります。しかし、まだ365.25日-365.2422日=0.0078日の誤差が生じ、これがたまりたまると128年で1日のずれが生ずることになります(1日÷0.0078日=128年)。

 この1日÷0.0078日=128年の計算で128年を400年に拡大すると(400年÷128年=3.12日)3.12日となります。
 つまり4年に一回はうるう年にしてもいいけれど、400年間に3回うるう年をなくすしくみをどうしようか?と考えたわけです。
 簡単に考えれば、西暦1900年~2000年(○)~2100年(×)~2200年(×)~2200年(×)~2300年(×)~2400年(○)~2500年(×)・・・(○)=うるう年、(×)=うるう年は無し 

 と言うことで、ちょうど400年に3回うるう年がなくなるようになっています。
 つまり西暦100年ごとで400で割り切れるときはうるう年、それ以外の年はうるう年ではない-と決めたのでした。
 どうしてこのような問題を・・・。正解は③


解答番号 3 参照HPNo.27 天球 「図-6」、No.30 ケプラーの法則 「ケプラーの第二法則」
地球から眺めた太陽を「視太陽」、「視太陽」が南中してから翌日南中するまでを1 視太陽日。ところが地球の公転軌道面(黄道)と赤道面が23.4°で交わっていること(HPNo.27 天球)、地球が太陽を1つの焦点とする楕円軌道を公転していることから(No.30 ケプラーの法則)1 視太陽日は一定ではありません。
 そこで天の赤道を一定の速さで動く仮想太陽を「平均太陽」とし、その動きによって決めた時間を「平均太陽時」としました。「視太陽」と「平均太陽時」の違いを「均時差」といいます。
 答え④


解答番号 4 参照HPNo.32 恒星の世界 「6 HR図が提案されるまでの小史」、 「11 質量高度関係」t∝M-2.5
aは正しくbは誤り、答えは②


解答番号 5 参照HPNo.32 恒星の世界 「6 HR図が提案されるまでの小史」図-7以降の説明
ポグソンの公式 ln/lm=5√100(m-n)よりl恒星/l太陽=5√100(5-0)=102
 一方、(恒)星の放射するエネルギー(明るさ)=(恒)星の表面積×シュテファン・ボルツマンの式 ですから

l恒星/l太陽=4πr恒星2・σ・5000/4πr太陽2・σ・6000 

これはポグソンの公式で求めた明るさの比に等しいですから、


l恒星/l太陽=4πr恒星2・σ・5000/4πr太陽2・σ・6000=102
r恒星2/r太陽2=102・6000/5000 ∴ r恒星/r太陽=10・6000/5000=10・(6/5)2=14.4  答え④


 

 

【第5問 解説・解答】(第5問、第6問から1問選択)
解答番号 1 参照HPNo.3 地球を構成する物質 「いかにして地球は層状構造に」、No.26 惑星 「2 太陽系の起源」
(ア)は微惑星、(イ)は金属(鉄・ニッケルなど)ですから答えは④


解答番号 2 参照HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物 
生物の陸上進出は、シルル紀に緑藻類から進化したプシロフィトンですから②が誤りです。


解答番号 3 参照HPNo.6 鉱物、No.7 続 鉱物
SiO4四面体一重鎖型でも、SiO4四面体二重鎖型でも1ユニットあたりで見れば電気的には-(マイナス)ですから、陽(+)イオンが結びつきます。答え①


解答番号 4 参照HPNo.6 鉱物 「4 固溶体 こようたい solid solution」、HPNo.9 火成岩
①藍晶石-珪線石-紅柱石は化学組成がAlSiO、一定で固溶体ではありません。
②HPNo.9 火成岩「火成岩の鉱物組成」にあるように、結晶分化作用は図の向かって左から右に進むので、火成岩の鉱物組成も図のようになります。したがって、結晶分化作用早期にはCaに富む斜長石が、晩期にはNaに富む斜長石が晶出しますから②は誤りです。
③石英はSiが1に対してOが2個、強固に結びついているため、固溶体をなしえません。④HPNo.6 鉱物 「4 固溶体 こようたい solid solution」の説明のとおり、④が正解。


 

【第6問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.33 続 恒星の世界 「恒星の質量と進化の違い」
「星の進化の最終段階」とありますから「超新星爆発」、そのとき絶対等級が-15~-20等まで輝くので、見かけの等級からその距離を求めることができます。正解①


解答番号 2 参照HP
宇宙の始まりサイズが1/1000になっていると言っていますから、1/1000=1/(1+Z) Z≒1000
そして、宇宙が膨張して長くなった光の波長Δλ=1mmとして観測していますから、Z=Δλ/λより
1000=1mm/λ、λ=0.001mm
ウイーンの変位則λm・T=Cより、現在Δλ=1mm、T=3°K、宇宙の始まりでは 
λ=0.001mm、T=? 1mm・3°K=0.001mm・T、T=3000°K 答え③

【別解】
ウイーンの変位則λm・T=Cより、現在Δλ=1mm、T=3°K、C=3 解答の選択肢でλm・T=3となる温度・波長の組み合わせは ③


解答番号 3 参照HPNo.34 銀河と宇宙 「3°Kの背景放射」
②が正解


解答番号 4 参照HP

 

Z=3では光が放射された時期が約110億年で、解答の選択肢①、②は該当しません。またZ=1の100億年も上の図に合致しません。答え④



 

 

 

2016地学基礎
【第 1 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.4 地震 「震度とマグニチュード」、「1 大森公式」
①:震度の説明に合致していて正しい。正解
②:「震度階級」ではなく「マグニチュード」と訂正すべき。誤り。
③:マグニチュードはその地震本来の規模を表すので、観測地点の距離とは無関係な値。よって誤り。
④:「マグニチュード」と「初期微動継続時間」は無関係。関係があるのは、震源までの距離を求める「大森公式」。よって誤り。

解答番号 2 参照HPNo.4 地震 「3.11東北地方太平洋沖地震」
①:現在の地震予知のレベルは、「断層運動の開始を事前に予測」する段階にありません。                   ②:HPNo.4 地震 「3.11東北地方太平洋沖地震」に記しているように、湾奥が狭まっていると海水が集中し波高が高くなります。
③:沖積層など比較的新しい堆積層は砂泥粒子+水+空気からなり、砂泥粒子はある程度のフレーム(骨格)を作っています。ところが震動が与えられるとそのフレームがこわれ流動性のある砂泥水状になります(液状化)。水は失われ結果として地盤は沈下します。正解
④:台風は低気圧ですから、「気圧の極端な低下によって」海面を吸い上げる働きがあります。

解答番号 3 参照HPNo.12 プレートテクトニクス
 海底の溶岩は海嶺で作られます。B地点の溶岩は新しく、A地点の溶岩は古いですから、「B地点は海嶺に近く、A地点は海嶺から遠い」ことになります。
 またA地点とB地点の間に海嶺があれば、A地点とB地点の間は時代と共に離れていくことになります。
 以上2つを満足する図は④となります。

解答番号 4 参照HPNo.16 堆積物と層序 「1 縦ずれ断層」、「2 地層」
①:地層d堆積のあとに褶曲運動があったとすると、地層dも褶曲しているはず。誤り
②:地質現象は、「火成岩eの貫入」→「不整合面の形成」→「地層d堆積」→「断層形成」と判断できます。正しい。
③:HPNo.16 堆積物と層序 「2 地層」の地層累重の法則 「地層a」→「地層b」→「地層c」の順に堆積。
④:HPNo.16 堆積物と層序 「1 縦ずれ断層」 「上盤(問題文の図、断層の右側)が下盤側に対して相対的に下がっているので、正断層」

解答番号 5 参照HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物 
①:ビカリアが繁栄した時期は新生代新第三紀(2400万年前以降)でグラフを見れば、絶滅率は 10%を超えていません。正しい。
②:最古の人類=アウストラロピテクスが出現したのは200万年前頃。グラフは最大の絶滅率を示してはいません。誤り。
③:グラフによると絶滅率25%以上となっている時代は、7000万年前頃(白亜紀/古第三紀)、2億2000万年前頃(三畳紀(トリアス紀)末)、2億5000万年前頃(二畳紀(ペルム紀)末)になります。
 では、この3つの時期に全地球凍結が起こったかというと、そういう事実は確認されていません。
 全地球凍結が起こったのは、ヒューロニアン氷河時代(約24億5000万年前から約22億年前)の最終期と、原生代末期のスターチアン氷河時代およびマリノニアン氷河時代(約7億3000万年前~約6億3500万年前)といわれています。
④:三葉虫の絶滅は古生代末(2億4000万年前頃)、アンモナイトの絶滅は中生代末(6400万年前頃)ですから、図2のグラフのピークの高さを比べれば、古生代末の方の絶滅率が高いといえます。誤り。

解答番号 6 参照HPNo.6 「4 固溶体 (こようたい) solid solution 」、鉱物 No.10  活火山

 マグマに含まれる気体は、水蒸気が最も多く、二酸化炭素、二酸化硫黄を含んでいます。またマグマに含まれるSiO2はマグマの粘性に関係し、SiO2の多いマグマほど粘性が高くなります。(そのため、火山地形も溶岩ドーム(北海道昭和新山、HPNo.10 活火山 ②樽前山、雲仙普賢岳の平成新山)のような急峻な地形を示します)答え③

解答番号 7 参照HPNo.10 活火山 HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物
①:成層火山は溶岩と火山砕屑物の重なり 誤り
②:火山のハザードマップには、噴火に伴う溶岩の流出、火山砕屑物に覆われる(と予想される)地域が示されています。正しい
③:縞状鉄鉱は始生代に、鉄イオンが「ラン藻」が放出した酸素よって酸化されて形成されました。誤り
④:④の説明は「火山泥流」で火砕流の説明ではありません。誤り

解答番号 8 参照HPNo.9 火成岩
 考え方は「火成岩の鉱物組成」と「火成岩の組織」です。
 石材Aはカリ長石・石英・斜長石・黒雲母からなる等粒状組織で花こう岩=深成岩です。一方、石材Bはカンラン石を斑晶に、斜長石・輝石・火山ガラスを石基に持つ斑状組織で玄武岩=火山岩です。
 問題文のa、bの記述はどちらも正しいですから、正解は①


解答番号 9 参照HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支、No.19 大気の構造 「気温、気圧の高度分布」
①:雲や海水は低温なので紫外線は放射しません(ウイーンの変位則)。
②:中間圏と成層圏の境界付近では、酸素が紫外線を吸収しオゾンが形成され、その際に発熱がおこって約-3℃まで上昇しています。正しい
③:太陽から放射されるエネルギーは紫外線、可視光線、赤外線のうち、紫外線の強度は最も小さい。③は誤り
④:地球は低温なので(ウイーンの変位則)波長の短い紫外線は放射しません。(HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支 図-5参照)

解答番号 10 参照HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支
①:HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支 「図-3」地表の反射はわずかに「2」誤り
②:エネルギー収支が過多になりますから、地球の温度は上昇を続けてきたことになります。誤り
③:メタンは二酸化炭素、水蒸気とともに温室効果ガスです。(HPNo.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支 「図-6」)
④:温室効果によって平均+15℃に保たれています。正しい

解答番号 11 参照HP
 図を書いて考えましょう。「太陽から0.34kw/m2のエネルギーが大気の上面に届きます」しかし、問題文のただし書きを読むと、「(地表や雲の反射、雲や大気の吸収によって)0.34kw/m2のエネルギーの1/2しか地表には届きません」と言っています(下の解説図参照)。


 つまり問われていることは地表1m2あたりには0.17kwのエネルギーが太陽からもたらされます。では100万kw(106kw)のエネルギーを受けられる面積はいくらですか?-ということです。
 106kw÷0.17kw/m2=5.88×106 m2=5.88×(103m)2=5.88km2 答え①

解答番号 12 参照HPNo.22 低気圧の分類 「図-2」
①:液体の水が気体の水蒸気に状態変化するには周囲から潜熱(583cal/g)を奪うので、打ち水をすると涼しくなります。誤り
②:潜熱は状態変化に伴う熱で、温室効果とは無関係。誤り
③:東部赤道太平洋の海水が低温に保たれているのは貿易風の働きによるので、誤り。
④:蒸発の時得た潜熱を液体に戻る時放出されます。正しい


解答番号 13 参照HPNo.34 銀河と宇宙
①:解説図参照

 ベクトルの合成になります。同一地点を銀河A、Bが角度にして60°開いて1000km/秒で進みます。1秒後銀河A、Bは1000km離れていることになります。誤り
②:銀河Aの「距離」は図1からすると4.7億光年。その銀河Aの光を今見ているということは4.7億年前に銀河Aから放たれた光―ということになります。正しい
③:銀河は一様に分布しているのではなく粗密があることが分かっています(宇宙の大構造)。正しい
④:ハッブルは遠くにある銀河ほど後退速度が大きいという「ハッブルの法則」(1929年)を発表し、宇宙が膨張していることを示しました。正しい

解答番号 14 参照HPNo.26 惑星 「1 太陽系」、
①:海王星は木星型惑星で表面には地球のように地殻やマントル、金属の核から構成されていないので、密度は小さい。誤り
②:新月は、太陽-月-地球と一直線に並びます。月から地球を見ると、地球は太陽に照らされ丸く見える(はずです)。(参考用としての図 No.29 地球・惑星公転 その2 ①朔望月)
③:木星も海王星と同じで表面は水素の海ですからクレーターはできません。
④:彗星を構成している粒子やイオンが、太陽に近づくことによって、太陽の光やプラズマの圧力を受けて彗星の「尾」ができます。

解答番号 15 参照HPNo.26 惑星 「2 太陽系の起源」、No.19 大気の構造 「大気の組成」、No.31 太陽 「図-30」・「⑧フレア」、No.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支 「図-7」、No.30 ケプラーの法則
①:太陽とともに惑星は同時に形成され、太陽の自転の向きと惑星の公転の向きは同一。
②:地球の大気は窒素と酸素が主で太陽は水素が圧倒的。誤り
③:ケプラーの第一法則から惑星は楕円軌道を描いて公転しています。近日点、遠日点で太陽との距離は異なりますが、太陽エネルギーを受け取る大きさを変化させる要因は地軸の傾き(公転面に対して23.4°)です。
④:No.31 太陽 「⑧フレア」参照。正しい