No.5 地殻熱流量


 ひとみちゃんが地球の深部の温度を測ったら、地球の奥深くは温度が高くなっていることに気づきました。
と言うことは,地球の内部は「熱い」と言うことになります。

 私は厳冬期にある鉱山の坑道奥深く調査に入ったことがあります。「坑内は20~30℃あるので、あまり着込まないように。」注意を受けたので、更衣室で坑内に入るため薄着をして作業服に着替えました。更衣室からトロッコの乗り場までのその寒いこと寒いこと。
 ところが、ヘッドランプのついたヘルメットを被り,トロッコで地下奥深くまで行くとそれは暖かく快適。地下は間違いなく暖かいのです。(北海道の鉱山写真はありません))

 写真が小さくて・・。ここは釜石鉱山です。鉱石の採掘は終了し、ミネラルウオーターを採取し現在では販売しています。

1 地下増温率 


 地下深くなるにともない、地中温度が深さ100mにつき何℃上昇するかを示します

 地表から20mくらいまでは、太陽の放射を受けたり地表付近との熱のやりとりがあり、季節によって地中の温度は変化します。しかし、地中の温度は、-20mより深くなると太陽の影響は薄れてきて深さ100mにつきおよそ3℃上昇します。

 

 赤い色ほど地温勾配が大きく、青ほど小さい値を示します。活火山等の分布しない地域では、地温増温率はおよそ3℃/100 mであることがわかります。

 注目すべきは紀伊半島や今治付近で比較的高い数値を示しています。(出典:国立研究開発法人日本原子力開発機構 東濃地科学センター)

 

 一方火山地帯では地下増温は3℃/100 mよりはるかに大きく、5~7℃/100 mにもなります。

(出典:環境省 第四章 地下温度構造の推定)



 これを地下増温率 3℃/100mと表します。つまり地球の深いところほど高温になることを示しています。
 では、地球の内部が「熱い」のは何故でしょう。地球深部の熱源には二つ考えれられています

 

2 地球の熱源 

 

  一つには、地球創成時に地球内部に閉じこめられた熱。地震の単元(HP No.4 4 地震)に出てきましたね。地球の内部にはS波(液体は伝わらない性質があります)が伝播しない部分(外核)があり、おそらく鉄で出来ているだろうと考えられています。そして,外核を包むマントルの対流によって地殻に熱エネルギーが伝えられていると言うものです。

 もう一つは、岩石に微量に含まれる放射性元素の崩壊による熱エネルギーです。ウランU,トリウムTh,カリウム 40Kなど放射性元素は放射線を放射し別の原子核に変化します。ウランU、トリウムTh、カリウム40K などはマグマの結晶分化作用の過程で掃き寄せられるためかこう岩マグマに多く含まれることになり、その結果かこう岩は発熱量が大きくなることになります。

 ※ 地球から放出されるエネルギーには、地震、火山、地殻熱流量があります。地震、火山は私たちが身をもって体験し、そのエネルギー量が膨大なものと思いがちです。
 しかし、地殻熱流量は地震のエネルギーの千倍以上、火山のそれの数千倍以上も大きいのです。

 

3 地球の温度分布 

 

 地殻はある程度の深さをボーリングすることで地下の温度分布を知ることが出来ます。しかし、深さが増すごとに高温高圧と言う条件のために、何10kmも掘削することは出来ません。8~12kmが限界(米国、旧ソ連)です。

 したがってそれより深い内部の温度分布はよくわからないのが正直なところです。現在までの知見をまとめると、以下のような図になります。



●(黒丸)おじさんの課題研究 その 1 



  課題研究①として取り上げたのは、日本一低い山はどこかというテーマ。低山の1位は、天保山(てんぽうざん 所在地:大阪市港区築港3丁目2番)標高4.53m。日本山名事典(三省堂)によれば、安治川の土砂を積み上げてできた人工の山、2等三角点があります。
 
 仙台の日和山(標高6.05m)が、1996.7.1以前までの日本一の低山だったそうです。ところが2.5万分の1地形図に大阪の天保山が記載されたので、現在では天保山が日本一の低山になった-とのことです。
 
 徳島県の弁天山、これも日本一の低山であるとのことです。標高が6.1mで、6月1日に山開きを行って、麓では子供たちが御輿を担いで練り歩くということです。
 
 しかし、日本一低い天保山よりもまだ低い山があるといいます。しかも、標高0m。つまり高さを測る基準となる平均海水面と同じ高さ-究極の低さです。
 
 その山の名は大潟富士、秋田県の大潟村にあります。大潟村は、1964年八郎潟の干拓地に生まれた村。干拓地であるため村の標高はマイナス3~4mと海水面よりも低いそうで、大潟富士は、その広大な干拓地のほぼ中央に1995年6月3日の測量の日を記念して、山頂がちょうど標高0mになるように造られたそうです。そして、ふもとからの高さは3m77.6cmで、本家の富士山の標高3776mの千分の一にあたるようにこしらえたという次第。山頂まで2本の階段が設けられており、ふもとには記念スタンプや登頂者名簿も備わっている-といいます。

 天保山も大潟富士も人工の山です。しかし、標高0mの大潟富士が山として認められるなら、やろうと思えば、日本や世界の地下深い鉱山の中に、坑道を掘ってできた「ズリ」(土砂)を山の形にすれば、標高マイナス3776mの「○△鉱山富士山」やら、標高マイナス8848mの「×□mineエベレスト山」、「×□mineチョモランマ」という超低山をこしらえようとしてできないことではありません。

 国土地理院は、標高0mの大潟富士を山として認知はしないでしょう。
 (おことわり:この項は以下のページを参照しました。)

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%BD%9F%E5%AF%8C%E5%A3%AB


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