2017年 センター試験 地学
以下にセンター試験の問題解説を行います。HP上の問題文は実際の問題の「空白を圧縮」するなど改変しています。実物に近い 問題は大学 受験学習塾、大学受験模試を行っている各社のHPから手に入れるなりしてください。なお、問題文は黒色で、解説・ 考え方は青色で示しました。
第 1 問~第 4 問は必答、第 5 問、第 6 問から1問選択
【第 1 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.12
考え方① 大陸プレートは不動。したがって地点Aも不動。
一方、海嶺Dで形成されたプレートは左右に移動(1~10cm/年の速度)。したがって海洋プレート上の地点B、Cは大陸プレートに向かっていくので、A-B,C間の距離は時間とともに狭まる。⇒Z
考え方② 海洋プレートをベルトコンベヤーと見て、地点B、Cをその上に置かれた何かの製品とすれば、その二つは近づいたり離れたりはしない。⇒Y
Z、Yの組み合わせが正解。答えは ⑥
解答番号 2 参照HP No.12、16
考え方① Dは海嶺でプレートが生産され左右への張力が働く。この場合形成される断層は「正断層」⇒①または②が正解となる
考え方② 一方Eはプレートのすれ違う「トランスフォーム断層」。「右ずれ」、「左ずれ」の区別の仕方= 断層面に正面に立つと、断層の向こう側の岩盤(プレート)は相対的に「左に」移動していることが分かる。=「左ずれ断層」⇒②または④
考え方①、②を満足する解答選択肢は② 答えは ②
解答番号 3 参照HP 週末課題No.2、3
重力は引力と遠心力(引力とはおおよそ反対向きに働く)の合力。遠心力は自転の半径に比例するので、両極ではゼロ、赤道では最大。
したがって重力は両極で最大、赤道で最小となる。⇒答えは ③
解答番号 4 参照HP No.4 図9、11
シャドーゾーン(地震の影の地帯)が出来るのは「物質の体積変化が伝わるP波が、屈折によって震央角距離103~143°の部分に伝播しないこと」。そして、「物質のねじれが伝わるS波が液体(外核)を伝播しないこと」。二つのことからシャドーゾーンが形成されている。
(radiusは地心から示しているので、地表は6400km。Vp=P波の速度、Vs=S波の速度 この項の説明:Chigakukyoushitu)
解答の選択肢を吟味。
①は上の説明図から明らかなように、あり得ません。解答として不適当
②も上の説明図から明らかなように、あり得ません。解答として不適当
③固体の内核がシャドーゾーンの原因にはなりません。
④⇒正解
解答番号 5 参照HP No.5 「2 地球の熱源」
放射性元素の崩壊熱⇒④
解答番号 6 参照HP No.14 「2 絶対年代」
放射性同位体の量が半減すれば、発熱量も半減する。発熱量が半減するグラフの適当な箇所を選んで、それに要する時間をアバウトで良いので求めれば良い。
上の図で、たとえば赤線で半減期を調べれば、発熱量5.2→2.6(詳しい単位は省略、半減)、半減期は(38-23)=15億年。
青線では発熱量4.0→20、半減期は(31-19)=12億年。
数億年の誤差が出てくるがこの値に近い解答の選択肢を選べば良いので、答えは②
解答番号 7 参照HP No.5 「2 地球の熱源」、HP No.9 「火成岩の分類」、「火成岩の化学的特徴」
問題文C下線部(d)「火成岩の場合は、一般にSiO2に富む岩石ほど単位堆積あたりの発熱量が多い。」とヒントを与えている。かんらん岩、玄武岩、花こう岩の SiO2の含有量は かんらん岩<玄武岩<花こう岩だから、発熱量もかんらん岩<玄武岩<花こう岩。⇒正解は ③
別な考え方としては、ウラン、トリウムは造岩鉱物を構成する元素ではないこと。またカリウムは文字通りカリ長石(正長石)に含まれ、かんらん岩や玄武岩にはカリ長石は含まれることはない。とすれば、かんらん岩の部分溶融によってマグマが発生し、最終的に花こう岩が形成されることを考えれば、正解に至る道筋もつくのでは。
【第 2 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.14「3 古生代の生物」、HP No.19「2 大気の組成」
大学入試センターは、図1は著作権の関係でHP上に掲載出来ないようです。
問題文をよく読めば「酸素が生成され、それによってオゾンが形成されることによって紫外線の除去が進み、生物の陸上への進出がなされた」という流れが思い出されるはずです。答えは酸素⇒①
「アドバンスト スタディ」としては、光合成の化学反応式。水と二酸化炭素からブドウ糖、酸素が生成される反応式。(この化学反応式はセンター試験「地学」に出ることは絶対にありません)
12H2O+6CO2→C6H12O6+6O2+6H2O
解答番号 2 参照HP No.14
大学入試センターもたびたび大変です。④は三葉虫、①はイクチオステガ(両生類)、②はプシロフィトンまたはクックソニア(海から初めて上陸した生物(植物))、③フウインボク(石炭紀)
いきなり動物が上陸することがなく、また進化した植物が上陸することはありません。答え⇒②
解答番号 3 参照HP No.14
陸上に大森林が出現したのは石炭紀。この時代は温暖でシダ植物は大いに繁栄し、その森林の中で昆虫類も大型化しました。被子植物が出現したのは白亜紀末。①は誤り。②も誤り。③同位体元素が安定であれば「半減」せず、これを利用する年代測定は不可能となります。④大森林は埋没し炭田を形成。④が正解
解答番号 4 参照HP No.16、2018年センター試験問題第2問 B
立体(三次元)の関係を、平面図(二次元)から読み取る問題で、地質図関連問題が不得意な人は多いでしょう。
考え方① 断面図で考える
(1) 地点Aで「泥岩が下位にその上位に砂岩が整合に、走向N-S、45°Wで傾斜し成層していた」とあります。また、地点Cは地点 Aの北30mの所、標高195mにあるとみられます。砂岩/泥岩の地層境界線(面)を黄緑色で示すと上図、左側のようになります。
(2) 同様に、地点Bで「礫岩が下位にその上位に泥岩が整合に、走向N-S、45°Wで傾斜し成層していた」とあります。また、地点 Dは地点Bの北60mの所、標高185mにあるとみられます。泥岩/礫岩の地層境界線(面)を紫色で示すと上図、右側のようになりま す。
(3) 上図から明白なように「地点Cには砂岩」が、「地点Dには礫岩」が分布することが分かります。
考え方② 地質図を描いて考える=時間がかかる
(1) 走向・傾斜のデータとそれらが得られた標高が示されています。ということは「(高さの異なる)走向線を引き、等高線との交 点を結ぶこと」によって地層境界線を描くことが出来ます。
(2) 地点A(標高180m)で「泥岩が下位にその上位に砂岩が整合に、走向N-S、45°Wで傾斜し成層していた」とあります。
地点Aをとおる南北の走向線は「180mの走向線」になります。「180mの走向線」は「標高180mに泥岩が下位にその上位 に砂岩が整合に重なっていますよ」ということですから、「180mの等高線」との交点に泥岩・砂岩の地層境界が現れます(上 図参照)。
(3) 傾斜が45°Wですから、西へ10m進めば10m低い「170mの走向線」、東へ10m進めば10m高い「190mの走向線」になります 。この地 図上の等高線を見て、走向線と交わりそうな高さの走向線は170m~200mですから、走向線を描きそれぞれの高さの等 高線との交点をなめ らかな曲線で結ぶと泥岩/砂岩の地層境界線が描かれます。
(※ 図、中央下付近210mの丘の部分の地層境界線の曲がりは、お絵かきソフトの関係で正しく表現されていません)
傾斜が45°Wですから地層境界線は尾根では東へ凸、谷筋では西に凸になります。
(4) 同様に地点B(標高200m)では「礫岩が下位にその上位に泥岩が整合に」成層しているとありますから、地点Bを通る直線は200mの泥 岩/砂岩の走向線になります。これと10m東隣の直線は210mの走向線となり、200mの走向線の西隣に10m間隔に並ぶ直線は、190m
、180m、170m、160mの走向線となります。
(3)と異なるのは地形の関係から、それぞれの走向線と等高線との交点が一か所のみ-というところです。
(5) 紫色の地層境界線の西側は砂岩が分布するエリア、紫色と黄緑色の地層境界線に囲まれたエリアは泥岩、黄緑色の地層境界線の 東側のエリアは礫岩が分布することになります。
以上の「地質図学」はやや難しいかもしれません。これを理解できれば、どんなセンター試験の地質図問題でも自信をもって解答できるでしょう。
考え方③ 走向線を地点A、Bでそれぞれ1本だけ引いて考える方法
(1) 地点Aで泥岩が下位にその上に砂岩が上位に重なり、西へ45°傾斜しているとあります。180mの走向線(=砂岩/泥岩の地層境 界線(面))を引きます。すると、地点C(標高約195m)の真下をとおります。地点Cの約15m真下には、砂岩/泥岩の地層境界があ るわけです。下が泥岩で上が砂岩。ということは、地点Cには砂岩が分布することになるでしょう?
(2) 同じように、地点Bで走向線を引きます。地点Bは200mに下位に礫岩がありその上位に泥岩の境界があり、西へ45°傾斜してい ます-ということです。
ただこの場合は地点D(標高約185m)は地点B(標高約200m)より低い位置にあります。地点Bは泥岩/礫岩の境界なわけです から、「標高約200mの地点Bより低い地点D(標高約185m)には礫岩が分布している」と考えます。
つまり「考え方③走向線を地点A、Bでそれぞれ1本だけ引いて考える方法」は、「考え方① 断面図で考える」の断面図を書か ないだけの、「思考による空間把握」による解き方になります。
作題者は「優しさがあり」(?)地点C、Dはそれぞれ地点A、Bの真北に配置しています。地点C、Dが東または西にずれた位置にあれば解答になかなか至らないと考えたのでしょう。
しかし、一方では提示された堆積岩の成層順を「下位から上位に向かって、礫岩⇒砂岩⇒泥岩」とはしていません。その一帯が単純な堆積過程でない印象を示すようにして「イチかバチか」の解答が正解にならないような工夫を凝らしているようにも見えます。
解答番号 5 参照HP No.3 地球を構成する物質②地殻、HP No.9、HP No.10
この問題は難問というより「惑問」と言うべき問題でしょう。「マグマ溜まりの熱で①地殻物質が溶融してマグマが発生する」と聞いてきています。マントル物質の部分溶融によるマグマについてではありません。
HP No.3 地球を構成する物質②地殻 「地殻の化学組成は大陸海洋で異なっています。②大陸地殻は厚さ30~50km、花こう岩質岩石からなる上部地殻と、玄武岩質岩石からなる下部地殻の2層構造になっている」とあります。
ですから、下線部分①、②をあわせて考えると形成されるマグマは「花こう岩質マグマ」、「流紋岩質マグマ」(SiO2=66%~75%)となります。イは流紋岩質となります。(これを、イを玄武岩質としてしまうと、ウも玄武岩質で答えが出てこなくなります。)
問題文の「マントル起源の分化していないマグマ」とは、皆さんおわかりのように玄武岩質マグマ(SiO2=45%~52%)になります。
「ほぼ等しい割合で(マグマを)混合」するとSiO2含有%がどのようになるでしょう。 このような計算で、SiO2が少なく含まれる場合としてSiO2%=(SiO2=45%+SiO2=66%)÷2=SiO255.5% ⇒ 安山岩質 SiO2が多く含まれる場合としてSiO2%=(SiO2=52%+SiO2=75%)÷2=SiO263.5% ⇒ 安山岩質
「ほぼ等しい割合で混合」されてできたマグマは「安山岩質」であることがわかります。つまり、ウは安山岩質、答えは④となります。
解答番号 6 参照HP 記載なし
火成岩の造岩鉱物のSiO4四面体と晶出順序は教科書に詳しく書かれています。理解の仕方としては、SiO4四面体の単純な構造から複雑な構造の順に晶出する-ということです。答えは②
【第 3 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.19「大気の循環 図-8」、 HP No.20
問題文では「S30°付近には」と南半球と提示していますが、大気の大構造はおよそ赤道面を境に対称になっています。つまり、「N30°付近」の大気の構造と行けば、「ハドレー循環」が下降し亜熱帯高圧帯となっている地帯です。
また気圧や圧力は単位面積に加わる力(≑重さ)ですからイは面積になります。正解は③
解答番号 2 参照HP No.23 日本の天気の特徴
真夏・真冬の天気図を示しています。真夏=6~8月期は「夏」で、気圧配置は「南高北低」。ただ注意しなくてはならないのは高気圧の中心は「南」よりも北にあることでです。Bが高気圧の中心となります。一方、真冬=12~2月期は「冬」で、気圧配置は「西高東低」。Cが高気圧。したがって高気圧の組み合わせはB、Cですから答えは③となります。
解答番号 3 参照HP No.19 大気の構造 「1 大気の薄さ」、HP No.14 地質年代区分と化石・古生物 「2 絶対年代」
大気の構造の問題ですが、「2 絶対年代」の測定原理の考え方に似ているといえます。
「1000円ありました。1か月経つごとに1/10になります。3か月後いくらになりますか?」答えは1円ですね。計算としては、1000円×(1/10)3=1円、または図に書いてもいいでしょう。
問題の場合は16km×3=48kmで、ぴったり50kmの高さにはなりません。地表付近では1000hPa(詳しくは1013hPa)で、1000hPa×(1/10)3=1hPa
答え①
解答番号 4 参照HP No.25 「⑦ 亜熱帯環流」、HP No.18 転向力(コリオリの力)、地衡風・地衡流
地衡風と同じように「高圧部を右に見て等圧線と平行に吹く(流れる)」ので、時計回りの亜熱帯環流が形成される-ことが頭の隅に記憶として残っているとそれほど難しくはありません。九州~四国~紀伊半島~房総半島へと亜熱帯環流の一部として「黒潮」が定常的に流れていることを知っています。上の下線部分とあわせて考えると、太平洋の中心(沖)の方が海面が高くなっていることになります。したがってウは「高い」
そして、黒潮は北太平洋海流→カリフォルニア海流→北赤道海流→再び黒潮へと一連の環流となりますから、エは「時計回り」。答えは①
解答番号 5 参照HP No.18 転向力(コリオリの力)・「地衡風・地衡流の力のつり合い」、HP No.23 日本の天気の特徴
これは難問です。天気図で風の強さと同じに考えて良いわけですから、この図2を天気図・等圧線と見なせば、等圧線が混んでいる「Y地点」の方が「Z地点」より強い風が吹いている=「Y地点」の方が「Z地点」より強い海流が流れているといえます。
ところが、「何倍速いか?」との問いかけ。 「等圧線が混んでいる」ということは=「気圧傾度力(圧力経度)が大きい」と言うことですから、「Y地点」と「Z地点」の圧力経度の大小が、「Y地点」と「Z地点」の海流の速さに反映されるはずだと考えます。
では圧力経度はどのように求めればよいのでしょう。下の図から分かるように、海の断面とみるとある一定の距離で海面高度差が大きいほど、圧力経度が大きいことが分かります。Y地点での赤色で示す水平距離をこの際Lとし、圧力差は海面高度差と考えてよく、また海面高度を表す曲線は10cmごとにひかれているとありますから、Y地点での圧力経度=60cm差÷L−①。
一方、Z地点では、Z地点での圧力経度=30cm差÷2L(Y地点より赤色で示す水平距離が2倍)=15cm差÷L−②
Y地点での圧力経度はZ地点での圧力経度の何倍かというと、①÷②=4倍。つまりY地点ではZ地点の4倍の速さの海流が流れることになります。答⑤
【advanced study】
図中、右上の赤丸で示される海水(塊)の運動について考えます。青矢印は海水(塊)に働く圧力傾度、白矢印は転向力になります。そうすると北半球では「高圧部を右に見て等圧線に平行に流れる(吹く)HP No.18 転向力(コリオリの力)・「地衡風・地衡流の力のつり合い」」でしたから、赤丸で示した海水(塊)は画面の手前から奥へ流れることになります。
【第 4 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.31 太陽 「4 太陽の構造」、「太陽の周期的活動」
容易な問題です。答え④
解答番号 2 参照HP No.31 太陽 「4 太陽の構造」、「太陽の周期的活動」
太陽の自転についてはガリレイの観測がありますし、黒点の数の増減は「太陽の周期的活動」に示されます。黒点の特徴については教科書に詳しく書かれ、黒点に強力な磁場が存在することが知られています。答え②
解答番号 3 参照HP No.31 太陽 「4 太陽の構造」、「太陽の周期的活動」
オーロラの発生のしくみは、プラズマが磁力線に沿って大気圏に進入し、熱圏の大気を刺激し発光する現象でした。金星90atmと濃厚な大気がありますが、磁気(圏)がありません。解答の選択肢①は不適。解答の選択肢②はオーロラの発生のしくみの説明のとおりです。オーロラは熱圏で発光しまた、地球は強力な磁場を持っているので太陽風(プラズマ)は地表に到達することはありません。答え②
解答番号 4 参照HP No.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支 「1太陽定数」
考え方は下のとおりと同じです。太陽定数とは、「太陽から1.5億km離れた太陽光線に垂直な大気の上面の1m2の平面に1秒間に1.366✕103Wのエネルギーが注がれる」ということです。
ですから、その隣の太陽光線に垂直な1m2の平面にも、またその隣の太陽光線に垂直な1m2の平面にも・・・同じ量のエネルギーが注がれるわけです。
したがって、太陽放射全エネルギー量(1秒あたり)=半径1.5億km(✕1000m)で作った球の面積(m2)✕太陽定数(1.366✕ 103W/m2)
問題では、太陽定数が「単位面積あたりのX線量」、時間が「t秒間」と変わっているだけですから、t秒間に太陽が放射するX線量は、F×4πR2×t 答え①となります。
解答番号 5 参照HPNo.33 続 恒星の世界「2 恒星の種族と世代」、No.34 銀河と宇宙 「1 星の集団・銀河の発見」表-1、「3 銀河の構造」図-8
この問題は容易です。答えは④
解答番号 6
銀河系の回転から、ケプラーの第三法則を用いて太陽系より内側の銀河の質量を求めることが出来ます。一方観測によっても同上の質量を求めることが出来ます。後者の観測による質量が圧倒的に少なく、暗黒物質(ダークマター:ブラックホールなど)が存在すると考えられています。銀河系全体では1000億太陽質量と見込まれています。
銀河系の中心のバルジはいて座方向にあり、主に種族Ⅱの恒星が密集し、バルジの質量は100億太陽質量と見込まれ、高速回転しているとみられます。バルジ中心にはブラックホールが存在すると考えられています。答えは①
解答番号 7 参照HPNo.33 続 恒星の世界 「2 恒星の種族と世代」表-1
球状星団の特徴・性質です。①、②、④は散開星団。③の種族Ⅱの恒星は第1世代の古い星で球状星団を構成します。答え③
解答番号 8 参照HPNo.34 銀河と宇宙
クエーサー、電波銀河の中心からは猛烈なジェットが吹き出しています。遠方にある銀河ほど高速で後退しており(ハッブルの法則)その距離は年周視差で測定できる限界(せいぜい300光年でしたね)を超えています。またセイファート銀河は明瞭な中心核のある渦巻き銀河です。答え①
【第 5 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.8 アイソスタシー、週末課題No.26、27、28、2018センター試験地学第1問問6
以下の柱状図を書くことが出来れば、解答に至るには容易です。
アイソスタシーのポイントは二つ。「質量=密度×長さ(深さ)」、「補償面に加わる質量(≒圧力)はどこでも等しい」でした。
Aには:1.6km(cm単位変換はしません)×1.0g/cm3+(1.4+d)km×3.3g/cm3=Ⓐ
Bには:3km×1.0g/cm3+d×3.4g/cm3=Ⓑ
Ⓐ=Ⓑですから、dについて解くと d=32.2km 答え③
解答番号 2 参照HP No.5 地殻熱流量、No.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支
この問題は一瞬「どう考えればいいんだろう?」そう思う人もいるのではないでしょうか。「海嶺付近の地殻熱流量Q1>海溝付近の地殻熱流量Q2」はすぐ分かるでしょう。
しかし、地殻熱流量(平均0.06W/m2)と太陽定数(1.366✕103W/m2)、ここでは数値が出てますから明確に判断がつくのですが、「どっちが大きかったかな~」と試験会場では焦るのではないでしょうか。
地殻熱流量(平均0.06W/m2)と太陽定数(1.366✕103W/m2)の値が頭の中に全く入っていなかったとして、考えて見れば、昼、あれほど明るくて暖かい(暑い)のは太陽の光であり熱=「太陽定数」の賜であるわけです。もしも地殻熱流量が太陽定数を上回るなら、地表から暖かさや暑さを感じたり、地表が発光して見えたり、雨や雪が降りながら乾いたり、雪が溶けたり(?)することになるんじゃないか-そんなことはなかったよなと考えを巡らせましょう。太陽定数(S)>Q1>Q2ですから 答え③
解答番号 3 参照HP No.12 プレートテクトニクス「海洋地殻の年代」
結構細かく詳しい知識を問う問題です。教科書・参考書で扱っている事項とはいえ難問です。
ただし、計算でなんとか出来ないか-ということも。東太平洋海嶺から最も遠く離れたところが日本海溝です。したがって日本海溝付近に最も古い海洋地殻があるのではないかと考えます。では、距離はいくらと見積もりましょう?赤道付近で地球一周4万㎞。1.5万kmとして、海洋地殻(海洋プレート)の移動速度を10cm/年とすれば1.5億年とでます。答え ②
解答番号 4 参照HP No.2 地磁気 「地磁気の様子」、No.31 太陽 「5 バンアレン帯」
磁力線の向きは「方位磁針のN極の指す方向」ですから②、④は該当しません。また太陽風によって地球の磁気圏は歪みますから①が正解になります。
【第 6 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HPNo.19 大気の構造 「3 大気の構造」
オゾンが存在して紫外線を吸収し大気の温度が上昇するのは成層圏。また問題文図1から読み取れる気温減率=(290-220)K÷10km=7K/kmですから、答えは「成層圏-6.5」、答え②となります。
解答番号 2 参照HP No.24 飽和水蒸気量と大気の安定・不安定
「乾燥断熱減率(1℃/100m)」ですから下図のように0~10km、10~20kmと高さを分けて赤線で乾燥断熱線を書き入れます。
すると、高度0~10kmまでは乾燥空気塊の温度がモデルAで示された大気より高いですから上昇を続けます。⇒不安定
しかし、高度10~20kmの高さでは乾燥空気塊はモデルAで示された大気より温度が低いですから上昇することは出来ません。すなわち安定。答え③
解答番号 3 参照HP No.25 海洋 「⑧ 海面に起こる運動」⇒答え②
解答番号 4
水塊は海底の摩擦を受けて波の速度はダウンしますし、水塊が狭い湾奥に集中すれば当然波高は高くなります。⇒答え③
2017年 センター試験 地学基礎 解答番号 [1 ~15]
【第 1 問 解説・解答】
解答番号 1 参照HP No.3 地球を構成する物質、No.4 地震
地震波のS波(横波:物質のねじれが伝わる「横波」でした)は外核を伝播しませんでした。ですから、物質の状態は「液体」。
地殻・マントルはSiO4四面体を基本構造とする鉱物からなります。
一方、地球全体の体積と質量の関係から密度を概算した場合、地殻・マントルを構成するケイ酸塩鉱物では密度に不足で、外核・内核は鉄と考えられています。答⑥
解答番号 2 参照HPNo.4 地震 1 大森公式
震源距離D=14kmと提示されており、図からは初期微動継続時間T=2秒と読み取ることができます。P波は地震発生後14km地点に2.5秒後に到達しているとありますから、Vp=14km÷2.5秒=5.6km/秒
一方、大森公式は D=Vp・Vs・T/(Vp―Vs)ですから、D=14km、Vp=5.6km/秒、T=2秒を代入。
14km=5.6km・Vs・2秒/(5.6km―Vs)、Vsについて解いて、Vs=3.1km/秒 答②
解答番号 3 参照HPNo.26 惑星 「2 小惑星」、HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物「始生代」、No.3 地球を構成する物質
No.3 地球を構成する物質、「いかにして地球は層状構造に」に示されるように地球の創成期には部分溶融が行われたため層状構造が作られたと考えられています。
解答の選択肢②のような二段階の形成は支持されていません。また、酸素は後生的に生成されており白亜紀末にはユカタン半島に小天体(隕石)が落下しその結果巨大な津波の発生、粉塵による日光の遮蔽に伴う環境変化によって中生代型の生物が絶滅しました。答え①
解答番号 4 参照HPNo.9 火成岩
斑晶はマグマ溜まりで徐冷されて大きく成長した結晶で、石基の小さな結晶や火山ガラスは地表や地表付近で急冷され、そのため大きく結晶化できなかったりガラスの状態になったものです。ですから、図2は斑状組織を示しています。組織の出来方は「b」。斑状組織は火山岩の組織ですから「閃緑岩」は不適。岩石名は「安山岩」、答え③
解答番号 5 参照HPNo.9 火成岩
①かんらん岩のような超塩基性岩でも、岩石に最も多く含まれる元素はSi。②HPNo.9火成岩「火成岩の鉱物組成」を参照。正しい。③花こう岩は有色鉱物は少なく、色指数は10以下。④有色鉱物は鉄・マグネシウムを多く含まれます。有色鉱物が多く含まれると当然密度は大きくなります。答え②
【第 2 問 解説・解答】
解答番号 6 参照HP No.17 太陽からのエネルギー供給、熱収支「3温室効果」
温室効果ガスは二酸化炭素、メタンが印象に残りやすいのですが、水蒸気もそれ相当の働きを行っています。教科書には明確に書かれています。答え①
解答番号 7
aの「宇宙空間に放射される地球放射が増え続ければ」地球は寒冷化するはずですから、aは「誤り」であると分かります。
bの前段部分の記述に目を奪われると混乱してしまいます。CO2の排出は一年の中ではサインカーブを描くような増減を繰り返します(植物の光合成の関係)が、産業革命以来「地球大気中の二酸化炭素濃度が減少した」ことはなく、右肩上がりで上昇を続けています。ですから、bも誤りとなり、答えは④
解答番号 8
いろいろな考え方があるでしょう。「直線の傾きが2倍」と問題文にあります。ですから、図1に赤で 「傾きが2倍」の直線を書き込みます。50年後何℃上昇しているか図から読み取ると代替1.2℃くらいですから、答えは①
解答番号 9参照HPNo.25 海洋 世界の深層水の起源と循環
aは「冷却され密度が大きくなった海水が沈降する」という正しい記述に目を奪われると作題者の術中にはまります。参照HPNo.25 海洋 「世界の深層水の起源と循環」あるいは、ストムメルの図に示されるように、深層水が作られる場所は「南極大陸ウエッデル海付近と、北はグリーンランド海付近の2か所」のみですから、aの記述は誤りとなります。
b 参照HPNo.23 日本の天気の特徴 梅雨
bは正しい記述ですので、a=「誤」、b=「正」ですから、答えは③となります。
解答番号 10参照HPNo.12 プレートテクトニクス「ホットスポット、プレートの移動速度の求め方、図c (a)section」、HPNo.23 日本の天気の特徴、「梅雨」、HPNo.10
活火山、「火山噴火予知連絡会会長 藤井敏嗣 氏 2016年の富士山火山活動の見通し」、
① 海溝型地震発生メカニズムは高温のマントル物質の上昇=プルームは関係が無く、海洋プレートの沈み込みが主たる要因にと なっています。①は不適
② 梅雨前線の停滞によって集中豪雨が起こり大変な被害を被ることが最近頻繁に起きています。CO2排出による地球温暖化が原 因とされています。②は解答として適。
③ いつどこで火山の噴火が起こるか明示できれば、被害は最小限にとどめることが出来ます。③は不適
④ 液状化現象は砂(細粒の礫~粗粒の泥)と水の混合層(堆積層)で起きますから、水を含みにくい固化した地層、火成岩層で は液状化現象は発生しません。④は不適
解答番号 11参照HPNo.31 太陽「4 太陽の構造」
①は粒状斑で、内部からのガスの上昇対流のために米粒状に見える模様で正しい記述。
②は黒点で、ここには強い磁力線が通っていて、そのため内部からの高温ガスの上昇が妨げられ温度が低くなり、暗く・黒色に見 える―と考えられています。したがって、誤った記述。
③はプロミネンス
④はコロナ、以上により正解は②
解答番号 12参照HPはありません
単なる割り算の問題です。ただ、数値が大きいだけで・・、出題の意図がわかりませんね。
ただ単位の変換には気をつけること、指数の計算でいかないと0が沢山になって試験中にパニックになるでしょう。
所要時間(t)=道のり(d)÷速度(v) ですから
t=30天文単位×1.5×108km/天文単位÷3×105km/秒×3.6×103秒/時間=4.1時間→答は③
解答番号 13参照HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物「5 新生代の生物」、HPNo.33 恒星の世界「3 恒星の誕生」、HPNo.34 銀河と宇宙「局部銀河群」
オリオン大星雲の距離はおよそ1300光年といわれていますから「ア」は①または②になります。
次に「イ」の3万年前の地質時代の出来事には何があったのでしょうか。HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物「5 新生代の生物」の項を参照してください。
「イ」が「全地球の凍結」となっては我々の祖先は絶滅したはずですから、私たちは現在地球に存在することはなかったでしょう。「イ」は「最期の氷期」となりますから、答は①
解答番号 14参照HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物 表「地質年代区分と造山運動、動植物の変遷の歴史」
「ウ」の「5億年前」は古生代の始まり=カンブリア紀の古生物を答えればよいことになります。三葉虫は「古生代」、デスモスチルスは「新第三紀」それぞれ示準化石です。 「エ」の「地球の誕生」はいつか?と聞いてます。HPNo.14
地質年代区分と化石・古生物 表「地質年代区分と造山運動、動植物の変遷の歴史」の下段にあります。答④
解答番号 15参照HPNo.14 地質年代区分と化石・古生物 表「地質年代区分と造山運動、動植物の変遷の歴史」、HPNo.16 堆積物と層序 「1縦ずれ断層」、「3露頭の観察・層序」
「断層の正逆の判定」、「不整合の形成時期」の両方を問うています。断層の正逆の判定はまだ容易ですが、「不整合の形成時期」は露頭の観察における「切った・切られた」関係(前後関係)、示準化石(の時代)がわかっていなければ、正解にいたらない問題で、難しさを感じるでしょう。
「断層の正逆の判定」は「上盤側」(図、断層線(面)に対して左側部分)が(下盤側に対して相対的に)下がっていますから、「正断層」となります。
泥岩には恐竜の化石が含まれ、時代は「中生代」。その上に重なる砂岩にはビカリアの化石が含まれ、時代は「新第三紀」。
図1に示される地域の「地史」は以下のようになります。
①中生代に石灰岩が堆積し、その後整合に泥岩が堆積した。
②正断層を作るような地殻変動が起こった。(石灰岩/泥岩の地層境界面は、断層面によって切られている)
③一帯は上昇して陸化し、不整合面が形成された。(断層面は不整合面に切られている)④その後沈降しビカリアを含むような砂岩が堆積した(新第三紀)。
問題の「不整合面の形成の時期」は地層が堆積した後でなければ不整合面はできませんから、「石炭紀」はあり得ません。「正断層」と「新第三紀」の組み合わせが答ですから、①